泉房穂前明石市長が「異次元の少子化対策」を批判「高速道路の逆走みたいな」

「ビックリしましたね。異次元と言いながらどっち向いているのかわからない次元ですね。違う世界に行っちゃう」

 6月10日に放送されたTOKYO MX「東京ホンマもん教室」に出演し、こう言って「異次元の少子化対策」に苦言を呈したのは泉房穂前明石市長。番組のメインMCを務める京都大学大学院教授の藤井聡氏と軽妙なトークを繰り広げた。

「今回ビックリしたのは、3つビックリしたんですよ。内容が異次元と言いながら、この程度かと。内容不十分。2つ目は遅いと。決断したらすぐできるやろう、と。スピードがない。3つ目はこれで国民負担を課すかと。ビックリして」

 岸田内閣の少子化対策について、3つの問題点を指摘した泉氏。これに藤井氏も「国民負担を課したら確実に経済が低迷して…。経済が低迷することが少子化の最大の原因ですから。貧困化が、中流階級から下流階級に落ちる人が増えるから子供が減ってるんであって、データっていうか常識で考えたらわかるやろ」と述べ、泉氏も「同感ですよ」と同意した。

 また、「異次元の少子化対策」の1兆円は、社会保険料の上乗せで補填する見通しだが、1人あたりの負担額が「500円」と報じられている点について泉氏は「社会保険もセコイね。セコイよ。500円、絶対ウソですよ」とバッサリ。00年度に導入された介護保険料が23年度は約3倍になっている事実を挙げて、「たぶん、(上乗せ)500(円)と言っといて、入れてしまって上げる気マンマンですよ。あとで数字合わせしようとしているんですよ」とコメント。藤井氏が「やればやるほど少子化が進む少子化対策」と斬って捨てれば、泉氏もこう述べて批判を締めくくった。

「これまで私は『異次元と言うけど、異次元じゃない』と言ってたんですよ。今回わかりました。ホンマに(マイナス方向へ)異次元や。反対向いて走るなんて高速道路を逆走するみたいなもんですよ」

 こうしたやり取りにSNSでは《高速道路の逆走はヤバい》《泉市長のトーク早口だけど面白い》《泉さん国政出てくれないかな》と称賛コメントが相次いだ。

「泉前市長といえば、11年の就任以来、『子供を核としたまちづくり』に取り組み、18歳までの医療費無料やおむつ定期便などの政策で、明石市の人口増加と財政健全化を達成しました。子ども施策費は就任前の125億から297億円と、2倍以上の予算をつけたものの、その間、増税はいっさいナシ。さまざまな無料サービスを打ち出したことで子育て世帯がたくさん街でお金を落とすことになり、経済が活性化。結果的に税収が増えたと番組で語っていました。翻って、岸田内閣は子育て関連の予算を国民負担で賄おうとしています。泉前市長が『高速道路の逆走』にたとえて憤るのも当然でしょう」(社会部記者)

 岸田内閣はいっそのこと泉前市長を少子化対策担当に登用してはどうか。

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