「看板を子供に書いてもらったら」少子化担当大臣のアイデアにツッコミ続々

 政府が推進を図る「こども政策」の柱となる「こども家庭庁」の雲行きがあやしい。同庁は来年4月の発足に向けて準備が進められているが、8月15日に開かれた記者会見で、小倉将信少子化担当大臣が披露したあるアイデアがネット上で物議を醸し、ツッコミが相次いでいる。

 会見で小倉少子化担当大臣は「子供にとって必要な政策は何か、子供の視点に立って考えるという方向性で、力強く政策を進めたい」という考えを示した上で、前任の野田聖子氏とのやり取りを明かした。小倉少子化担当大臣は「野田前大臣から『こども家庭庁』の看板の文字は、大人ではなく子どもに書いてもらったらどうかと言われた。私も全く同じことを考えていた」と、「こども家庭庁」の看板の文字を子供自身に書いてもらうプランを明かしていた。

 このアイデアが報道されると、9年連続で人口増加を達成している兵庫県明石市の泉房穂市長がTwitterで反応。泉市長は「『看板の文字』を子どもに書いてもらう必要はない。求められているのは、子どもを大切にしている“フリ”ではなく、子どものための『予算』を本気で確保することだ。この夏の『予算要求書』には『こども予算が2倍必要』と大臣自らがその責任で書き込んでいただきたいと切に願う」と“看板案”についてバッサリ。泉市長は同庁に関する参考人として6月7日の国会に呼ばれ、「明石市独自の5つの無料化」を紹介したことでも大きな話題となっていた。

「子供にとって必要な政策」を実行し、人口増を達成している泉市長のツイートは賛同を呼び、SNS上では《看板を誰が書くとかどうでもいいから、もっと実になる事を真面目に考えて実行してほしい》《ネタで言ってるのか?》《ほんとに仕事をするふりにはうんざりする》《明石市長と交代してくれ!》《教育にお金回したり、子育て支援を厚くすることが優先でしょ。まさか、書いてもらう子供を決めるのにお金かけて公募しないよね?》と、泉市長に続くように“看板案”への批判のコメントが殺到してしまった。
 
 子供に書いてもらった看板が、“子どもを大切にしているフリ”の象徴になってしまうのではなく、“子供ファースト”の象徴になってくれることを願う。
 
 (浜野ふみ)

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