世間をざわつかせた「暴言」10(下)「医療現場を見てから言って」批判に三浦瑠麗氏「私、医者じゃないんで」

 誰しも感情的になることはあるが、ついカッとなって暴言を吐くのもおとなげない。「世間をざわつかせた暴言」ワースト10の上位は、いずれも、冷静になって考えれば、こんな言葉は発しなかっただろうというケースばかりだ。

 第3位は国際政治学者の三浦瑠麗氏。昨年1月29日放送の討論番組「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)に出演し、コロナ禍で奮闘する医師を侮辱するかのような暴言を吐いてしまった。三浦氏はまずこう発言した。

「普通の医者が(ワイドショーのコロナ番組を観て)コロナを怖がりすぎている」

 これに対し番組に出演した医師が、「三浦さん、ちょっとそれはひどいですね。怖くない医者なんていない。それだったら三浦さんが(医療現場に)立ってみられたらいい」と憤慨すると、三浦氏は、

「私、医者じゃないんで」

 と、笑いながら開き直ったのだ。三浦氏のこの無責任とも言える発言に怒りを覚えた視聴者も少なくなかった。

 第2位はサッカー元日本代表で順天堂大学サッカー部監督の堀池巧氏。10月12日配信の「文春オンライン」に、堀池氏のパワハラ疑惑が報じられた。記事によれば、堀池氏は必死にプレーする選手に対して、

「1年のクソ坊主。お前みたいなのがいた(出身)クラブからはもう選手獲らないからな!」

 などという暴言を吐いたという。しかも、暴言だけでなく、練習中に使用するカラーコーンを選手に投げつけたこともあったとか。目に余る暴挙に危機感を募らせた選手らは、堀池氏のハラスメントを文書にまとめて大学側に提出したという。

 さて、今年最も世間をざわつかせた暴言、第1位は、「暴言王」ともいわれる明石市の泉房穂市長だ。10月8日配信の「神戸新聞NEXT」によると、泉氏は自身への問責決議案提出を予定している同市議会の議員に顔を近づけて「賛成したら許さん」と3度繰り返したという。別の議員には、

「問責なんか出しやがって。議員みんな、次の選挙で落としてやる」

 などとも発言したとか。暴言を吐いた議員には電話で謝罪したが、とても市長とは思えない発言だった。泉氏は2017年6月、明石市駅前の道路拡幅工事で立ち退きに応じなかった建物のオーナーを説得できなかった市の職員に対し、

「今日、火つけてこい。燃やしてしまえ。ふざけんな。今から建物壊してこい。損害賠償を個人で負え」

 などと強烈な暴言を放っていたとも報じられた。

「三浦氏は『上から目線』な発言が多く、難解でもったいぶった言い回しもあって、それが視聴者を苛立たせるのでしょう。堀池氏は『昭和の指導法』を引きずっています。パワハラや体罰、暴言はもはや絶対にNGということを知るべきでしょう。泉氏は少子化対策などですばらしい実績も残していますが、発言は感情のおもむくままのようです。気に入らないことがあればすぐに怒りを爆発させるところをみると、沸点が相当低いのでは?」(週刊誌記者)

 相手のことを気遣い、尊重すれば、暴言など出ないはず。今回ランクインしてしまった10人の面々が、「2023年のワースト10」には登場しないことを祈りたい(ムリかもしれないが)。

(石田英明)

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