「地方選は惨敗でも総選挙で勝つ」自民党大阪府連の「維新叩き」が始まる!

 統一地方選後半の結果に自民党の大阪府連はショックを受けている。大阪の市部の選挙でも維新の会が躍進を遂げており、その敗因について懸命に分析したようだ。

 分析の結果、先の選挙は自民党の票が大きく減ったということではなく、立憲民主党や国民民主党のいわゆる「民主党票」の多くが維新の会に流れたと判断したという。

「とはいえ、自民にとって維新が目の上のたんこぶであることに変わりはありません。大阪府連でも、なんとしても維新の会を叩かないとならないという声が圧倒的だったといいます」(府連関係者)

 そんな中、にわかに浮上してきたのが「6月解散説」だった。

「5月の広島サミットを終え、6月の通常国会閉会後に解散、7月に選挙というカードを岸田文雄首相が切るのでは、と永田町で噂になったのです。7月8日には安倍晋三元首相の一周忌を迎えることもあり『弔い選挙』という追い風も期待できます。市議選でも多くの議席を失っている府連では、維新の新参議員が地域に浸透してしまう前に叩く、と臨戦体制に入ったとも言われていますね」(政治部記者)

 その「維新叩き」に使われるのが大阪万博とIR(統合型リゾート)だという。政治部記者が続ける。

「大阪万博もIR誘致も維新が主導していたイベントですからね。その『責任』を追及するのではないでしょうか。開催用地として予定されている夢洲は、かつてはゴミ捨て場だったこともあり土地に有害物質が含まれていることが指摘されています。そうした土地の整備も含め最終的にどれだけのお金がかかるか判明していませんし、維新はその負担を税金で賄おうとしている、といったネガティブキャンペーンを張るつもりではないでしょうか。ただ、万博は国の事業ですし、IRも国が誘致先を指定することになっています。どちらも決定したのは国会であり、政府与党であるわけですから、自民にとっては攻め方を間違えると天につばする結果になってしまうかもしれません」

 大阪市内で小学生の子供がいる40代のパート勤務の女性は、次のように不安を口にする。

「大阪市の税金をIRに使うことが指摘されて、維新のやり方が言葉のゴマかしではないかと思った有権者は多いと思います。ママ友たちとの間で夢洲の話題が出ることも多くなりましたね」

 維新が今の勢いを維持することができるのか、あるいは自民の巻き返しが始まるのか、戦いはすでに始まっている。

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