杉村太蔵「これから日本経済は強烈に伸びてくる」/テリー伊藤対談(4)

テリー 投資をしてる太蔵さんから見て、今の日本はどう? 俺、さっきまでワタミの渡邉美樹さんと一緒にいて、美樹さんは「このままじゃ経済破綻する」って、かなり厳しい見方をしてたけど。

杉村 ああ。でも、じゃあ「経済破綻ってどういう状況を言うんですか?」ってことですよね。自国通貨で債権を発行して、その90%以上を自国民が買っている日本がギリシャみたいになるとは思えないし。それに今、札幌でも何億円もするマンションが売れ始めてるんですよ。で、旭川にも初めてタワーマンションが誕生したんですけど、3億5000万円の最上階が飛ぶように売れてるんです。

テリー へぇ。旭川で3億5000万って、すごいね。

杉村 なので、これから2030年にかけて、世界でいちばん成長するのは日本だと思うんですよ。なぜか、みんな「日本はダメだ」って言うと安心しますけど。

テリー 確かにそういうところはあるね。

杉村 だから、僕はこれからの日本は強烈に伸びてくると思ってます。まだまだ伸び代はあるし。

テリー とはいっても物価が上がって、この30年ぐらい給料は上がってないよね。

杉村 でも、僕はいつも思うんですけど、テリーさんが子供の頃、戦争が終わったあの時と今、比べたらどうなんですかと。こんなこと言ったら怒られるのかもしれないけど、あの当時の方がもっと悲惨だったろうし、たぶん今の大変さなんて、先輩方の経験してきた経済的な苦しみからすると、大したことないんじゃないかなと、僕はそんなふうに思いますけどね。

テリー でもね、例えば自動車ひとつ取っても韓国や中国がどんどん出てきてるでしょう。例えば日本のどの産業に希望があるの?

杉村 僕は、これから考えなきゃいけないのは「メイド・ウィズ・ジャパン」だと思うんです。「世界の皆さん、日本と一緒に作りましょう」と。

テリー もう「メイド・イン・ジャパン」にこだわってもしょうがないんだ。

杉村 はい。日本人の手によって海外で作られた「メイド・バイ・ジャパン」でもなくて。だって、ボーイング社が使ってる部品も7割ぐらいは日本製なんですよ。日本の技術やモノがなければNASAだってロケットを飛ばせないんです。だから「メイド・ウィズ」であり続ける以上、かなり日本は強いんですよ。

テリー まだまだ日本はイケる?

杉村 イケます、イケます。

テリー じゃあ、例えばアサ芸の読者にも日々の生活に希望が見出せない人っていると思うんだけど、そういう人にはどんなアドバイスがある?

杉村 それはもう絶対に北海道に来て、農業をやった方がいいと思います。

テリー 農業?

杉村 はい。今の地球温暖化というのは、そう簡単に止められなくて、これからたぶん、東北や北海道がものすごくフォーカスされると思うんですよ。「この先、本当にこの東京で夏場を過ごせますか」と。

テリー なるほどね。

杉村 しかも今、世界的に人口が増えていて、輸入する食材も高いと。そうなった時に、北海道に来てごらんなさいと。そのへんでホタテは取れるし、アスパラは生えてくるし、シカ肉、クマ肉まであって食の宝庫ですよ。

テリー みんなで北海道に引っ越せばいいんだ。

杉村 はい、ウエルカムですよ。土地はいくらでも余ってますから。だからテリーさんもぜひ「旭川はれて」に出店してください。

〈テリーからひと言〉

 太蔵さんはいつも明るくて、前向きで偉いな。出店の話、おもしろそうだから、ちょっと真剣に研究してみますよ。

杉村太蔵(すぎむら・たいぞう)1979年、北海道生まれ。筑波大学中退後、派遣社員から外資系証券会社勤務を経て、2005年、衆議院議員に初当選。厚生労働委員会、決算行政監視委員会に所属し、特にニート・フリーター問題など若年者雇用の環境改善に尽力した。2010年の落選後はタレントに転身、現在は「サンデージャポン」(TBS系)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)などでコメンテーターを務める。

週刊アサヒ芸能5月4・11日掲載

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