杉村太蔵「地元・旭川で屋台25軒を集めた商業施設を運営」/テリー伊藤対談(3)

テリー 最近、投資の方はどうなんですか。儲かってる?

杉村 いや。もう儲かってるだけではダメで。今、実は旭川に450坪の土地を買って、そこで5〜7坪の屋台みたいな小さな店舗を25軒集結させた「旭川はれて」という施設を運営してるんですよ。

テリー あ、そうなの。何で?

杉村 よく政治家って「地域活性化」って言いますけど、その定義を示さないじゃないですか。で、地方はどんどん衰退してしまってると。で、僕は地方活性化って、その町に「新しく店を出そう」とか「会社を作ろう」という新規創業者が増え、それが雇用を生み、ビジネスで儲かって、税収が増えることだと思ってるんですよ。

テリー そりゃそうだ。

杉村 ただ、例えば新しい店を持つにしても、敷金礼金はいるし、いざやめるとなれば違約金もかかるし、銀行の借り入れで400万〜500万円になっちゃうんですよ。そうすると、やっぱりどんなに意欲がある人でもビビッちゃうし、これを何とか変えたいと思ったんですね。

テリー じゃあ、そこは格安で出店できるの?

杉村 そこは敷金礼金、保証金、全部いらない。いつやめてもいいし、たとえ「明日やめる」と言っても1円も違約金は発生しません。原状回復義務もありません。そのまま出ていってもらっていいです。で、厨房機器、什器、内装、全部こちらで用意します。完全キャッシュレスで、売り上げの80%をお戻しします。「これでどうですか? 万が一失敗しても、あなたに多額の借金は残りませんよ、チャレンジしませんか?」って言って募集したんですよ。

テリー すごいね。店を持ちたい人には夢みたいな話だ。

杉村 でしょう。だから、400人の旭川市民が詰めかけて、84名がエントリーしてくれたんですよ。で、25店舗が新規出店して、昨年7月10日にオープンしたんです。

テリー お店って、例えばどんなのが出てるの?

杉村 大半は飲食店ですね。

テリー チェーン店は?

杉村 入ってないです。今、地方の駅前ってチェーン店ばっかりじゃないですか。だから、そこにある店は世界に1つしかないんです。で、すごくうれしかったのが、半分以上が女性の出店者なんですよ。で、完全キャッシュレスなんで、店に現金は置いてない。だから、どんなに遅くまで営業してもそういう面では安心できると思うんです。

テリー へぇ、いろいろ考えてるなぁ。

杉村 だから僕は、すごくやってよかったと思ってますし、店舗の収益が上がるほど、うちの収益も上がるシステムなんですね。売り上げの80%は戻して20%をいただくんで。だから、常に出店者と私で一致団結して、売り上げを伸ばそうと努力しているところです。

テリー もうお客さんがいっぱい?

杉村 いや、まだまだこれからですね。で、実はテリーさんに1店舗用意してるんですよ。

テリー ええっ、どういうこと?

杉村 いや、そこにテリーさんに出店してほしいなと。鉄板焼きのお店が、介護をしなきゃいけないっていう理由で閉店しちゃったんで、そこが空いてるんですよ。

テリー ああ、そういうこと。何やればいいの?

杉村 テリー伊藤の唐揚げ、卵焼き、何でもいいですよ。1年限定でいいですから、旭川に活を入れてください。

(つづく)

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