何度も長嶋茂雄氏と対談をしているというファッションデザイナーのコシノジュンコ氏が「ミスター」の人柄をベタ褒めした。4月16日に放送されたラジオトーク番組「コシノジュンコMASACA」(17時~17時半)でのこと。この日のゲストは巨人やMLBのボストンレッドソックスなどで投手として活躍した岡島秀樹氏だった。
「長嶋さんは世間ではいろいろ言われるけれど、本当に気配りの方でね。いつも私との対談時間の約束のずっと前にいらっしゃって、お辞儀も丁寧だし。その時に巨人の監督だったんだけど『落合は巨人にとってサンプルなんですよ』っておっしゃったったんです。えー、サンプル?って思ったんですけど、番記者の方って凄いわね。『落合は巨人にとってシンボルなんですよ』って記事になっていましたから、長嶋語を翻訳する能力があるのよ」
コシノ氏が言うようにミスターには都市伝説になりそうな迷言・珍言が数々ある。立教大学時代の授業で「I live in Tokyo」の過去形を問われたミスターは「I live in edo」と答え、その後学校では「長嶋には答えさせるな」というのが常識になった。好きな四字熟語を書いてくださいと頼まれ、色紙に「長嶋茂雄」と書いたというのも有名だ。しゃべりの中に英語を交えるのも得意で、これは「ミスターイングリッシュ」と呼ばれるようになった。
鯖のことを「うーん、魚へんにブルーですね」と言ったり、「勝負はネバーギブアップしてはいけない」とも。言いたいことは分かるが、完全な間違いも多い。若手の選手を「ヤングボーイのバットマン」と呼ぶこともあった。肉離れは「ミート・グッドバイ」だから「ミスターイングリッシュ」恐るべしだ。
「ミスターは感性の方ですから間違った言い方でも相手には伝わるんです。何度も取材でお会いしましたが、何を言うのか楽しみにしていました。嫌味が全くないスカッとした方でグチはこぼさない。デビュー戦で金田正一から4つの空振り三振を食らい、巨人の監督に就任した年に最下位になっても『あとは上がるだけだから』という感性は並みの人にはありません。だからミスターの人気は不滅なんです」(元スポーツ紙デスク)
この日のゲストの岡島氏も、
「オーラが半端ない方ですよ。気配りが凄くて細かいことまで気を遣って下さいます。ごはん屋さんで偶然会ったときに挨拶したら『アメリカに行って良かったね』って言って下さいました。他のお客さんたちがサインや写真撮影を求めても嫌な顔をせずに対応していたのを見て凄い人だなと改めて感心しました」
息子の一茂も天然なところがあるが、ミスターのウルトラ天然にはかなわない。