「サイゼリヤ」社長の「値上げしない」宣言にツレナイ反応が出る理由

 4月12日に開催された決算記者会見で、ファミレスチェーン「サイゼリヤ」の松谷秀治社長は改めて「値上げはしない」方針であることを明らかにした。多くの飲食店で値上げラッシュが続く中、同チェーンは価格維持を守り続けているが、《そろそろ値上げしてもいいのでは…》といった声も聞こえてくる。

「松谷社長は、売り上げがコロナ前に近い水準まで回復しており、業務の効率化やメニューの見直しによって価格維持は可能だと説明。今後は閉店時間の延長を検討しているといい、さらに客足が戻ることを見込んでいて、『値上げをしないとつぶれる場合はそうしなければならないが、今はそういう状況ではない』としています」(企業ライター)

 しかし、同日発表された2023年8月期第2四半期(22年9月~23年2月)の連結業績では、最終利益は88.2%減の5億9000万円となっている。松谷社長の言う通り、客足は増加傾向にあって売上高も増えてはいるが、資源価格の高騰や円安による食材価格やエネルギー価格の上昇を受け止めきれておらず、国内の営業損失は16億円となるなど赤字の状況が続いているのだ。

「サイゼリヤは昨年12月にスパゲティの大盛りサイズを突如として終了させ、値上げをしないコストカットの影響がメニューにも出ているのではないかと囁かれていました。また、昨年からは『プロシュート』や『熟成ミラノサラミ』『煉獄のたまご』など販売休止が相次いでいます。これらは、アフリカ豚熱やエッグショックの影響によるものですが、相次いで人気商品が消えたことで、メニューを維持できないならむしろ値上げして欲しいと思うユーザーも増えているようです」(フードジャーナリスト)

 価格維持のためのメニューの見直しによって、むしろ客離れを招くこともあるかもしれない。

(小林洋三)

ビジネス