7月19日、串カツ田中ホールディングスが行った2019年11月期の第二四半期決算会見で、売上高は前年同期比で39.8%増の46億8200万円となったことが発表されたが、一方で今年3月から6月までの既存店売上高は4カ月連続で前年割れ。こうした事態は、串カツ田中にとって初めてのことだという。
「昨年6月に全店での全席禁煙を実施したことで、いったんは家族連れが増え売上が伸びたのですが、ここ数カ月はサラリーマンなどの平日客が減少し、客単価も前年割れが続いているようなのです」(経済誌記者)
これにネット上では《居酒屋でファミリーが増えれば酒を飲む人は利用しづらくなり長居もしなくなる。客単価が上がらないのは当然》といった、納得の声が広がっている。
「簡単に言えば禁煙ブーストが終わったということでしょう。昨年の禁煙発表によって家族連れや嫌煙家の客は急増しましたが、その反面、愛煙家やサラリーマンの“一人飲み”は徐々に減っていき、それから半年以上が経ち、その減少の穴を家族連れ客などで埋められていないということ。さらに言えば、串カツ田中では18年11月から21店舗増えており、攻めの姿勢を貫いている中、接客の教育や料理の質についても問われるところです」(飲食店コンサルタント)
来年、東京都では条例により飲食店が原則禁煙になることから、こうした低迷に拍車をかける可能性はある。飲食店にとって、いちはやく禁煙を実施し売上が好調だった串カツ田中は希望の光だったが、やはりそう簡単に上手くはいきそうにない。
(小林洋三)