「串カツ田中」秋葉原店が閉店!アイドル接客でも持たなかったアキバ求心力の危機

 12月1日、串カツ田中ホールディングスは秋葉原にある「串カツ田中 アキバあいどる店」を、同30日をもって閉店させると発表した。現役アイドルやアイドルの卵が接客するとあって開店当初は大きな話題となっていたが、わずか1年半での閉店に驚きの声もあがっている。

「同店は21年6月21日に『秋葉原中央通り店』をリニューアルする形でオープン。メジャーデビューを目指すアイドルグループのメンバーや事務所への所属を目指すアイドルの卵らが働き、コロナの影響でなかなかファンと触れ合えないアイドルたちの活躍の場にもなっていました。今年1月には店員として働く愛渚叶らむと羽澄じゅりが『ふぁんたぢあ』というグループでデビューしたことも話題となりましたが、突然の閉店発表に衝撃を受けたファンも多かったようです」(タウン誌ライター)

 閉店の理由は明らかにされていないが、12月26日〜30日までイベントを実施するという。

「東京商工リサーチの調査によると、上場居酒屋チェーン主要16社の店舗数が19年の12月末から22年9月末までのおよそ3年で1274店舗(19.1%)減少するなど、居酒屋業界は非常に厳しい状況にあります。今回の閉店発表にネット上では《アイドルが接客しても2年も持たないのか…》といった驚きの声があがっています」(経済ジャーナリスト)

 しかし、串カツ田中自体はこの3年で273から317に店舗数を増やしており、22年11月期第3四半期(21年12月〜22年8月)決算では純利益も8億6500万円と黒字転換しているため、決して悪い状況ではないという。

「ただ、秋葉原は電気街やサブカル文化の中心地として観光客からも人気のスポットとなっていたものの、コロナ禍以降は街が閑散としシャッターを下ろす店も増えています。10月10日にはアイドルカフェ『AKIHABARAバックステージpass』も閉店していますし、求心力が落ちているため、串カツ田中も早めの判断を下したのかもしれません」(前出・タウン誌ライター)

「会いに行けるアイドル」の時代も終焉が近づいているのかもしない。

(小林洋三)

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