居酒屋の倒産が過去最多!20年も「東京五輪」特需関係ナシの理由

 帝国データバンクが先ごろ、19年の飲食店の倒産が過去最多になる見通しであると報じた。中でも酒場・ビヤホールの倒産が最も多く、サラリーマンの憩いの場である飲み屋が風前の灯火であることが明らかとなったが、新年の20年はさらに厳しい状況が続くと見られている。
 
「同社の調査によれば、11月時点で酒場・ビヤホールの倒産が143件あり、00年からの集計以降、19年が過去最多の件数を記録しています。倒産の原因は、人手不足に原材料や人件費の高騰、増税などが挙げられています」(ネットライター)

 これはあくまで倒産件数であり、閉店件数を加えればもっと多くの飲み屋が姿を消したことは間違いない。19年は居酒屋チェーンの「串カツ田中」や「鳥貴族」の業績が悪化したことで、多くの店舗が閉店に追い込まれているのである。
 
「実は今、海外では日本の居酒屋がブームになっていて、日本旅行のガイドブックにも飲み屋が紹介されていることから、東京五輪では多くの訪日観光客が足を運ぶことが期待されています。ただし、20年4月からは飲食店が原則禁煙となるため、特に飲み屋にとっては大きな足枷となるかもしれません。すると、外国人観光客も宿泊施設での“部屋飲み”を選択するパターンが増えそうですね」(飲食業界関係者)

 赤ちょうちんの灯が一つまた一つと消えていくのかもしれない。
 
(小林洋三)

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