意外ではない?「丸亀製麺」が香川県で“残り1店舗”にまで減少したワケとは

 2月27日に讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」のイオンモール高松店が閉店することとなり、同チェーンの香川県内の店舗は残すところ1店舗となることが明らかとなった。香川県丸亀市の名を冠しているにもかかわらず、香川県民から受け入れられない原因はどこにあるのだろうか?

 丸亀製麺は2000年に兵庫県加古川市に1号店を開店しており、香川県発祥の讃岐うどん店ではないのは有名な話。創業者である粟田貴也氏の父親が香川県坂出市の出身ではあるものの、たまたま粟田氏が丸亀市のうどん製麺所で客が行列している様子を発見。その場で製麺したうどんを食べさせるアイデアを思い付いたとされており、もともと丸亀製麺と丸亀市とは何の関係もなく、これまで丸亀市内に店舗を展開したこともない。

「丸亀製麺が香川県民に受け入れられないのはこの点が大きいと思います。ネット上では同チェーンが香川で残り1店舗になった原因に、《香川県内にはもっと安くてうまい讃岐うどんの店がいくらでもある》ことを挙げる人も少なくありませんが、それは間違いです。なぜなら、同じ讃岐うどんチェーンの『はなまるうどん』は香川県内に14店舗を展開し、両者の違いは何かといえば、はなまるうどんが香川県高松市発祥という点で値段に大差はありませんからね」(フードライター)

 これと同じ例に、串カツチェーンの「串カツ田中」がある。

「“大阪伝統の味”を掲げる同チェーンですが、大阪発祥ではなく展開は関東圏が中心で、あくまで“伝統の味を目指す”という意味です。日本人にとって、特にご当地グルメを扱う場合は創業者が地元出身者で、地元発祥が重視されるということでしょう」(グルメライター)

 なお、丸亀製麺と丸亀市は良好な関係にあり、丸亀市の公用車に広告を出したり、西日本豪雨で石垣が崩落した際には寄付もしているそうだが、それでも香川県民からはまだ認められていないということか。

(小林洋三)

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