迷惑行為対策費が商品価格に転嫁!? くら寿司「AIカメラ導入」で懸念される「再値上げ」

 回転寿司チェーン大手の「くら寿司」は3月2日、相次ぐ迷惑行為への対策として、不審な動きを察知して知らせる人工知能(AI)システムを全国の店舗に導入すると発表した。

「同チェーンではすでにAIカメラが全店に導入されていましたが、このカメラを使って不審な動きを監視するようです。具体的には、一度取った皿をレーンに戻すなどの動きが検知されると、常時6〜7人が待機する専門の部署に警報で知らせ、本部から店舗に異常があったことを連絡。客に声かけをしたり、場合によっては警察に通報するといった対応が取られるそうです」(週刊誌記者)

 くら寿司では今年1月、4年前に撮影されたという一度取った皿をレーンに戻すなどの迷惑動画がSNS上で拡散していた。くら寿司だけでなく、迷惑行為については各社が対応に追われており、「スシロー」では客席とレーンの間にアクリル版を設置。また、「はま寿司」ではガリを個別包装して客席に置くなどしている。

 こうした対応策は迷惑行為の抑止力になると利用者からは賛同の声が上がっているが、一方でシステム導入費用が商品価格に転嫁されるのではないか、といった心配の声も少なくない。

「くら寿司はAIカメラが設置済みだったことから迅速に対策を講じることができたと思います。ただ、カメラがあったとはいえ、新たなシステムを全店に導入するとなると、それなりのコストが必要になるでしょう。また、このシステムの対応にあたる人材の確保も必要になれば、その分の人件費もかかります。他のチェーン店でも、その対策費用は相当な額になるはずです。国から補助金が出るわけでもなく、結果的に導入費が商品価格に転嫁される可能性はありますね。各チェーン店は昨年、かっぱ寿司以外は一皿税込110円を115〜120円にするなど値上げしましたが、近い将来、『再値上げ』があるかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 いっそ、迷惑行為対策にかかった全額を加害者に負担させたらいい、そんな怒りの声も聞こえてきそうだ。

(小林洋三)

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