7月8日、米グーグルが送金アプリ「pring(プリン)」を運営するpring社(東京都港区)を買収すると「日本経済新聞」など報道各社が一斉に報じたが、これには国内の銀行の行く末を心配する声が相次いでいる。
「グーグルが買収するとされるpringは決済代行のメタップスやみずほ銀行、伊藤忠商事らが共同出資して設立した送金サービス企業で、現在メガバンク3行を含む50行超と提携していて、アカウントと銀行口座を紐付けることでQR決済や個人間での送金が出来るようになります。手軽に利用できることから若者らを中心に数十万人の登録者がいるとされていますが、今回グーグルは200億~300億円でPringの全株式を取得する方針だといいます」(社会部記者)
グーグルはスマホ決済「グーグルペイ」を世界40カ国で展開し、アメリカやインド、シンガポールで送金サービスを行っているが、日本でもいち早く参入するために既存の送金サービスを買収したと見られている。これにネット上では、《財務省、金融庁が利権確保のために法令でがんじがらめにしている間に外資にやられます》《銀行がますます苦しくなりますね。今までのツケだとは思いますが》《インフラを制するものはすべてを制すると思う》などの意見が見られた。
「グーグルはアメリカでシティグループなどと協力し、いわゆる『グーグル銀行』を21年中にスタートさせる予定。今後は送金サービスを足がかりに日本でも金融業に本格参入することは間違いないと見られています。グーグルが金融業界に参入すれば各種手数料は無料、各種手続きも24時間365日可能になるとも言われていますから、日本の銀行は太刀打ちできなくなる可能性もあります」(経済ジャーナリスト)
グーグルのpring買収によって、日本の金融業界に大きな変化が訪れるかもしれない。
(小林洋三)