吉本興業の「契約は口頭でも成立」の認識に“異議アリ”の指摘!

 闇営業問題に揺れる吉本興業で7月22日、岡本昭彦社長が5時間半におよぶ超ロングラン会見に臨んだ。その会見にて岡本社長は、同社と芸人の契約が口頭で交わされている件について、「今回のことを踏まえ、どういう形が模索できるかやっていきたい」と語り、契約書を交わす形に変えていく可能性も示唆したという。

 その契約に関しては7月13日に大崎洋会長が各メディアの取材に対し、芸人とは専属実演家契約を結んでいるとしたうえで、吉本興業では口頭で契約しており、民法上も口頭で成立すると主張。かつて50年近くにわたって上場会社だったとは思えない旧態依然とした契約慣行に、批判の声が集まっていた。その契約について週刊誌記者が指摘する。

「口頭での契約については吉本側の主張通り、可能という見解に間違いはありません。専属実演家契約を含むほとんどの契約は、民法の大原則である“契約自由の原則”に従い、口頭のみで成立するものとされているからです。ただ吉本興業側の主張には拡大解釈の面も否めず、もし所属芸人との裁判になった場合、吉本側が負ける可能性は否定できません」

 吉本側の主張する「契約は口頭のみで成立する」が法律的に正しいからといって、芸人との契約に関して吉本側の言い分がすべて認められるわけではないというのだ。週刊誌記者が続ける。

「岡本社長の会見で、吉本芸人たちが最もビビッドに反応したのは『平均値で5対5から6対4』と説明したギャラの配分でしょう。吉本では芸人自らが“9対1”という極端に低い配分をネタにしており、会社側の説明とは大きく異なります。それはすなわちギャラの配分において、会社と芸人の間でなんら契約が交わされていない現状を示しているということ。しかし一般的な専属実演家契約では印税などの配分率はあらかじめ項目として記載されており、最低限の記載として『配分率は両者で協議する』と定めることもあります。それに対して吉本芸人の多くは自分の配分率すら知らないとネットで明かしており、吉本ではギャラの部分をブラックボックス化している可能性が高い。このように契約の最も根源的な部分をないがしろにした状態で、『契約は口頭で成立している』と強弁するのは、さすがに無理がある」

 果たして吉本では契約の内容をどのように口頭で伝えていたのか。そこを明確にしない限り、世間は納得しないだろう。

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