楽天モバイル「巨額赤字」に打つ手なし!? 起死回生の「夢プラン」も問題山積で…

 2月14日に発表された四半期決算で、過去最大の3728億円の赤字を公表した楽天グループ。原因は、ひとえに楽天モバイルにおける巨額投資のためだが、これ自体は今に始まった話ではないので驚くには当たらない。焦点となったのは、代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が目標に掲げる「23年中の単月黒字化」が達成できるかどうかだった。

「中身を見ると、本業の楽天市場や証券、カードなどの金融は好調。モバイル単体の4593億円の赤字がひたすら足を引っ張っている状況に変わりはありません。課金ユーザーの契約数も、11月から1月までの2カ月間で7万2000件ほど増えただけで、このままのペースでは、かつて三木谷氏が掲げていた1200万回線に届くまでに17年もかかることになります」(経済ジャーナリスト)

 ただ、契約者数の伸びは鈍化しているものの、大批判を浴びた「0円廃止」の影響は意外に少なかったとも捉えられており、さらに、一発逆転の「奥の手」も準備中だという。

「三木谷氏は楽天モバイルで『スペースモバイル計画』というのを目指しています。同計画は、衛星とスマホを直接つないで高速通信を実現させようという夢のようなプランです。衛星とスマホを直接つなげるわけですから、基地局によって電波が届かないといった『圏外』がなくなることになる。ただ非常に距離のある衛星を直接スマホにつなげるには現状は非常に難しく、また多くの衛星を打ち上げる必要があり、しかも低コストで実現させる技術革新も必須なので時間とコストがかかります」(前出・経済ジャーナリスト)

 どうやら今しばらくは切り札として使えそうもないようだ。となるとこの難局を乗り越える妙手はなさそうなのだが、ちなみに今後は販促費を削減するとのこと。米倉涼子のCMを見る機会も減るのだろうか。

(猫間滋)

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