30周年Jリーグ「大波乱」優勝予想(1)ワッキーが推すFC東京のブレイク候補

 30周年を迎える今シーズンのJリーグが開幕。過去6年間は神奈川県の2チームだけで優勝を分け合う「2強時代」が続いたが、今年はその勢力図が大きく動く年になりそうなのだ。

 識者やファンの下馬評では、昨季1位の横浜F・マリノス(以下、横浜FM)、2位の川崎フロンターレ(川崎)の「2強」を今季優勝候補とする声は多い。しかし、元日本代表GKで解説者の小島伸幸氏の優勝予想は、昨季3位のサンフレッチェ広島(広島)だ。

「昨年はミヒャエル・スキッベ監督(57)が就任1年目でリーグ3位、天皇杯で準優勝、そしてルヴァンカップ初優勝と、堂々たる結果を残しました。リーグよりもカップ戦を重視した結果でもありますが、タイトル獲得で勢いに乗っている。昨季ブレイクの満田誠(23)ら若手と、佐々木翔(33)のような元日本代表のベテラン選手がうまく融合し、チームが非常にまとまっていると思います。監督としても昨季を通して個々の選手の特徴をさらに把握したでしょう。2強を上回る結果を残せるのではと期待しています」

 一方、年間150試合以上を観戦するという、高校サッカーの名門・市立船橋高出身で根っからのJリーグ好き芸人、ペナルティのワッキーは、昨季6位フィニッシュのFC東京(東京)に熱視線を注ぐ。

「強いチームには頼れるキャプテンの存在が必須。元代表のDFリーダー・森重真人(35)がまさにそう。しかも、東京には長友佑都(36)もいる。チーム最年長の長友が率先して雰囲気を明るくし、試合に出ない時でもチームを鼓舞し続けています。キャンプの様子を見ても、本当にチームの雰囲気がいいんですよ。僕は毎年のように東京を優勝候補に挙げますが、今年こそあると思いますね」

 ワッキーはさらに詳しく戦力を分析して、

「破壊力抜群のブラジル人トリオ、アダイウトン(32)、レアンドロ(29)、ディエゴオリヴェイラ(32)がそろい踏みすれば、止められるチームはなかなかないし、さらに、今季トップに昇格した熊田直紀(18)という規格外のストライカーもいます。熊田は東京のユースが育成した最高傑作とも言われる、ハンパじゃない身体能力のレフティー。元代表の久保竜彦(46)や世界的に有名なスウェーデンの怪物フォワード、イブラヒモビッチ(41)のような、ありえないアクロバティックなゴールを決められる選手です」

 東京と言えば、昨年ルーキーとしてレギュラー格で出場し続けた松木玖生(19)が注目されるが、

「2年目で対策されることも多くなると思いますが、技術もそうですけど、松木はそれこそ長友レベルの強いメンタルを持つ選手。今季もやってくれると思います」(ワッキー)

 と太鼓判を押す。小島氏も、

「高卒1年目の選手がJ1であれだけやれたのは、小野伸二(43)や中村俊輔(44)以来じゃないですか。今年うまくいけば、次のW杯での代表も見えてくる。期待は大きい」

 久保建英(21)や三笘薫(25)に続く、ネクストブレイク候補筆頭だろう。

スポーツ