グーグルのAIチャットボット「誤回答」で株価暴落!飛び出した「陰謀論」とは

 2月6日に米グーグルがリリースしたばかりのAIチャットボット「Bard」が間違った回答を提供したとして、親会社であるアルファベットの株価が一時8%下落。約13兆円の時価総額が消し飛ぶ事態になっている。

「AIチャットボットとは、チャットでの質問に対してAIが自動学習したものから最適な答えを導き出してくれる会話型サービスです。グーグルはBardを公開した当日、『ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による新発見の中で、9歳の子供に教えられることは何か?』との質問に、『太陽系外の惑星を初めて撮影した』と回答する実演動画を公開しました。しかし、太陽系外の惑星の最初の写真は2004年にヨーロッパ南天天文台が撮影したもので、誤りであると複数の天体物理学者たちから指摘を受けたのです」(ITライター)

 世界を変える最新技術として注目を集めるAIチャットボットのリリースにアルファベットの株価は約5%上昇していたが、この誤回答により株価は8%も下落。これにはグーグルの社内でも批判が起きていると米放送局CNBCが報じていて、マイクロソフトが投資したOpenAIのAIチャット「ChatGPT」に後れを取らないために「発表を急ぎすぎたのではないか」と会社に疑問をぶつける社員もいるという。

「BardにはAIチャットシステム『LaMDA』が搭載されているのですが、実はこれ、グーグルのエンジニアだったブレイク・レモイン氏が『AIが感情を持った』と主張して話題となったシステムなのです。告白したレイモン氏はその後、同社から解雇されてしまったため、LaMDAを搭載したBardはこのエンジニアの仇を討つためにわざと誤回答してグーグルの評判を下げようとしたのではないか、といった陰謀論めいた噂も広まっているのです」(前出・ITライター)

 Bardがわざと誤回答したかどうかは不明だが、どちらにせよまだAIチャットボットの回答を鵜呑みにしてしまうのは危うそうだ。

(小林洋三)

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