米グーグルは5月11日、同社としては初となる折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」を7月中旬に日米など4カ国で発売すると発表した。ただ、折りたたみスマホはなかなか普及が進んでいないのが現状だ。果たして勝算はあるのか。
「Pixel Foldは、折りたたみ時は5.8インチのスマートフォンとして、広げると7.6インチのタブレットとして使用可能で、折り畳んだ状態で厚さ12.1ミリと薄型ながら現在販売されている他社の折りたたみスマホと比較しても最も高い耐久性を持つ、とアピールしています。なお、予約は6月20日よりスタートし、本体価格は25万3000円です」(ITジャーナリスト)
折りたたみスマホは2018年に中国メーカーRoyoleによって初めて発売されると、以降SamsungやHuawei、OPPOなどが次々と参入した。しかし、IT調査会社IDCの調べによれば、22年に出荷されたスマホ12億580万台のうち折りたたみスマホは1420万台で、全体のわずか1.2%と普及が進んでいない状況が明らかとなっている。
「現在、折りたたみスマホはSamsungがシェアの80%を占めていますが、グーグルの参入で勢力図が一気に変わる可能性はあるでしょう。ただ、それで折りたたみスマホの普及が大幅に進むかというと難しい。まず、本体価格25万円はゲーミングPCも買える値段ですから、スマホの機種変の選択肢にはなかなか入らないと思います。もう1つは、実機を見る限り、開いた時に中央に折り目が見えるので、多くの人が望む折りたたみスマホのクオリティにたどり着いてはいない印象です。まだまだ今後に期待といったところでしょうか」(前出・ITライター)
23年の折りたたみスマホの出荷台数は前年比50.5%増の2140万台が予想されている。果たしてPixel Foldはどれだけ売上を伸ばすことができるか。
(小林洋三)