二軍スタートだが、本当は立浪和義監督の構想に入っているのではないだろうか。
中日・根尾昂投手が「投手専念」で初めて迎える春季キャンプで、存在感を見せつけた。
「初日からブルペン入りしました。なかなか良いボールを投げていました」(現地メディア)
自主トレの成果だろう。ここまでは、アピールしたい新人や若手投手によくある話だ。しかし、キャンプ初日の根尾は違った。力をセーブしながらも、キレのあるボールを投げ込んでいた。
「根尾はルーキーイヤーから“二刀流”で練習していたんです。与田剛監督(当時)や首脳陣が『ちょっと投げてみろ』とブルペン投球をさせてみたら、投手・根尾の評価は賛否両論。でも、捨てがたいものがあると、投手の練習は続けさせていたんです」(球界関係者)
「投手専念」により、全ての練習時間を充てることができるようになった。
根尾はオフの間、鳥取県のスポーツ施設や米シアトル郊外にあるトレーニング施設で体を追い込んできたそうだ。
「身体を鍛えることはもちろんですが、新しい球種も磨いてきました。根尾のスプリットはシーズンに入ったら、大きな武器になるはずです」(同前)
スプリットは昨年シーズン中から試行錯誤を繰り返していた。持ち球は直球とスライダー、時々カーブ。「直球とスライダー」しか通用しないのが実情で、立浪監督が理想とする「先発・根尾」に進化するには、明らかに球種不足だった。
「握り方や指の掛かり具合を変えたようです。シアトルの施設で最新マシンを使って測定しながら、もっとも効果的で、根尾に適した握り方を見つけたようです」(同前)
オフの間、ほぼ毎日投げ込んできたことが自信となったのだろう。だから、力をセーブしながらも“キレキレの投球”ができたのだ。
「根尾の新球は空振りが取れると、立浪監督にも報告されています」(名古屋在住記者)
三振を狙って取れるのであれば、リリーフがうってつけだが…。中日は救援投手の層が厚い。先発候補も多い。根尾の進化がホンモノなら、立浪監督は迷わず使ってくるだろう。
(飯山満/スポーツライター)