「クサい!でもウマい!」として今、中国や台湾で大人気なのが「タニシ」でスープをとった「タニシラーメン」なのだとか。
「中国では古くから、滋養強壮に効果があるとしてタニシを粉末状にしたものが重宝されてきました。が、そのスープは、匂いがかなりきついことから、『スープ界のドリアン』、さらには『生物兵器に分類すべき』などと言われるほどです。ところが、コロナ禍の影響で健康志向が高まり、逆にその独特な匂いが『健康にいいのでは』として大ブームが起こったのです」(全国紙記者)
中国や台湾では、このタニシなどの食材を弱火でじっくり煮込んだスープの中に、タケノコの漬物やピーナッツ、大根、湯葉、そして米麺を入れた麺料理が大人気だという。
ところが、このタニシラーメンをめぐり、中国と台湾との間で大問題が勃発した。台湾メディア「聯合新聞網」が18日に、台南市の李宗霖議員のこのような激烈な談話を伝えたのだ。
「台湾に輸出されている中国製のインスタント・タニシラーメンのパッケージに、『あなたは中国人、私も中国人です』という記述があり、李氏は、『これは中国本土によるプロパガンダだ』と激怒しています。このタニシラーメンは世界中で販売され、台湾に入ってきたのは4年前。ただ、当時のパッケージには、『いつももっと運動しろと言う人もいますが、食べるのが一番いい運動です』というコピーが印刷されていた。ところが、1年ほど前に突然、『あなたは中国人です。私も中国人です。一つのドアに入ってください。そうすれば、あなたは私のものです』と変更されていた。李氏は、『レッドライン(軍事・外交上の、越えてはならない一線)を越えている。台湾人の世論の風向きを混乱させる』と語り、波紋が広がっています」(前出・全国紙記者)
背景に、台湾のタニシラーメンの実店舗よりも、中国製のこのインスタント麺のほうが味が良いと評判になり、通販で取り寄せる人が急増したことがあるようだ。中国がこの情勢を利用し、プロパガンダを企てた、というのである。
記事の中で、李氏は、「台湾ではこのような事例が多く、今回明らかになったのは氷山の一角」と怒りを露にしている。ラーメンをめぐる両国のバトルの行方が注目されるのである。
(灯倫太郎)