アップル「iPhone SE4」に発売中止報道、開発断念の裏にナットクの理由

 2024年の発売が予想されていた廉価版スマートフォンiPhone SEシリーズの第4世代モデル「SE4」が発売中止になったと、複数の米メディアが報じた。日本では一時、iPhoneシリーズで最も多くのシェアを誇った人気シリーズだが、発売中止となった理由とは?

「アップル製品の情報に詳しい著名アナリストのミンチー・クオ氏は昨年末から、SE4の発売延期もしくは中止の可能性があると予測していましたが、1月6日にアップルのサプライチェーンから得た情報としてSE4の製造中止が決定的になったことを明らかにし、各メディアも一斉にこれを報じたのです」(ITライター)

 クオ氏によると、SE4はiPhone XRをベースにした、これまでのモデルよりもサイズが大きく、指紋認証のTouch IDも廃止されたモデルになると予想されていた。さらに、iPhone 16シリーズに搭載する予定だった自社製のモデムチップもSE4にテスト搭載する予定だったというが、このモデムの開発に失敗したためSE4の発売自体を取りやめたという。

「SE4の発売中止の要因は、スマホ販売台数の減少も大きいでしょう。昨年の全世界のスマホ出荷台数は前年比でおよそ9%減少している状況で、今年は景気の後退を受けさらに減ると予想されている。加えて昨年発売されたiPhone 14シリーズではProやPro MAXがよく売れ、『買い換えるなら高価格帯モデルを』との傾向が強く、廉価版のSE4を購入するユーザーは少ないと考えられています。そもそもSEシリーズを愛用する人は安くて小さくて指紋認証があるところに魅力を感じているため、iPhone XRをベースにしたSE4は大コケする可能性も十分にあった。発売中止は妥当ではないでしょうか」(前出・ITライター)

 SE3も需要が伸びず販売台数が減産されていたが、今後SEシリーズが製造されることはあるのだろうか。

(小林洋三)

ライフ