あの80年代アイドルに総直撃!〈小出広美〉デビュー1年目の「CMトラブル」真相「アイスをかじって出して50回の挙句…」

 83年にシングル「タブー」でデビューした小出広美(56)。アイドル歌手としての活動期間はわずか1年余りだったが、「ポスト中森明菜」の触れ込みで業界に鮮烈な印象を残した。

「え? 明菜さんを意識していたかって? それが全然(笑)。名前を出すのもおこがましいですよ。確かに、あまり笑わない大人びたキャラでしたけど、当時の所属事務所が山口百恵さんをイメージしていたのかもしれませんね。『ポスト明菜』 は後付けだと思いますよ」

 地元・名古屋でのタレント活動を経て東京に進出。デビュー年にはクリンビューのカーワックスや森永製菓のCMに起用された。

「森永アイスバーガーのCMは今でも覚えています。大好きなアイスがたくさん食べられると思って‥‥。1回の撮影では一口かじるだけでも、3パターンの衣装で何回もテイクを重ねるので、膨大な量になりますからね。スタジオにはバケツが用意されて、かじっては出して、かじっては出してを繰り返していました」

 50テイク以上を重ねた挙句にCMは完成した。しかしその後、仕事の仲介に入った人物と事務所とのトラブルで退社する事態に。アイスバーガーのCMはお蔵入りの危機を迎えた。

「事務所を辞めた後、広告代理店の方から直接、連絡をいただいたんです。『実はまだきちんとしたCM契約を結んでない』と説明された時は驚きましたよ。結局、個人で契約をし直して、『CMが流れている間は商品のイメージを損なわないように』って。はい、もちろん1年間は、おとなしくしていましたよ(笑)」

 88年にグラドルとしてカムバック。「PENTHOUSE」や「スコラ」「平凡パンチ」で肢体を披露。93年には鮮烈なヘア写真集「EVA」(TⅠS)をリリースした。

「ロケ地はパリ近郊。7泊8日のスケジュールでカメラマンのハナブサ(・リュウ)さんと、広々としたシャトー(城)や豪華な邸宅を巡ったのは忘れられない思い出です。西田幸樹さんには10代から撮っていただいて、8年ほど前(2015年)にも撮り下ろし企画でご一緒したんです。バストが垂れてないか気になりましたけど、『まだ大丈夫!』って。機会があったら、10代から40代までの私を1冊にまとめたいですね」

 グラビアの仕事と並行して、和雑貨の輸出業、高級ラウンジの経営、そしてトイプードルのブリーダーと、様々な事業にチャレンジしてきたが、唯一心残りがあるようで‥‥。

「昨年10月にFacebookを開設したら、ファンの方からたくさんのメッセージをいただいて感激しました。実は、84年5月にリリース予定だった5枚目のシングル『最近のム・ス・メ』が発売中止になったままなんです。これまで二度、復刻盤の話が持ち上がったのですが、いずれもお流れになってしまって‥‥。そこで、この『最近の─』以外に別の未発表曲も加えたベスト盤を年内にもリリースする計画なんです。これが三度目の正直(笑)。今度こそ、ファンの方たちに歌声を届けたいですね」

*週刊アサヒ芸能1月19日号掲載

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