あの80年代アイドルに総直撃!〈川上麻衣子〉「金八」の優等生が全脱ぎ映画に「パチンコが大当たりして出演を決めました」

 数ある学園ドラマの中でも最高傑作と評されるのが「3年B組金八先生」(TBS系)だ。当時中学3年で等身大のヒロインを演じた川上麻衣子(56)を〝家庭訪問〟すると─。

 80年10月スタートの第2シリーズは「腐ったミカンの方程式」などの名セリフがテレビ史に刻まれるほどの評判を呼んだ。そのドラマのヒロイン・迫田八重子を東京・千駄木のスウェーデンのデザインや小物を扱うセレクトショップ「SWEDEN GRACE」に訪ねたところ、

「お店は今年で7年目になります。05年に吹きガラスの個展をした頃から芸能界以外のことに興味が出て、それで両親がスウェーデンの美術学校でデザイナーをしていたこともあり、北欧雑貨と自分の作品を置ける店を始めることに。50歳を迎える前に、最初に谷中で店を構えました」

 フフッと笑う優しい笑顔は校内暴力ですさんだ学園ドラマの一服の清涼剤だったマドンナの微笑みを追想させる。

「当時あのドラマを見て、中学校はコワいところだと思っていた小学生も少なくなかったようですね。ドラマの教室には高校3年生だった松浦(沖田浩之)、優(直江喜一)、下には中2だった伊藤つかさ(55)、一番下は中1まで幅広い世代がいたので夜間学校みたいな雰囲気でしたね」

 今でもこのクラスメートは時折、リモート同窓会を開いているのだという。

「最近、『金八』関係でお声がかかることが増えている気がします。見ていた方も含め、還暦が近い年齢ですから青春時代を思い出すのかもしれないですね。昨年、『金八』世代のミュージシャンのライブに優と一緒に参加しました。中島みゆきさんの『世情』、伊藤つかさの『少女人形』、もちろん私のデビュー曲『白夜の世代』などをセーラー服姿で披露しました。今でも『八重子』って呼ばれて驚きますが、こんなにも皆さんに愛される番組に出演できたのは奇跡みたいなものですね」

 その後、ドラマ「青が散る」(TBS系)の初々しい女子大生役も好評だったが、映画初主演作品となる「うれしはずかし物語」(日活)での鮮烈な脱ぎも話題をさらった。

「原作はジョージ秋山先生、東陽一監督から台本をいただいて、これはハードで私にはムリだと思って、新宿の喫茶店で会ってお断りするつもりだったんです。ところが、監督のアプローチがあまりに熱心で、頭が真っ白になっちゃった。『30分考えさせてください』と席を外し、パチンコ店で運試ししたんです。そしたら、500円で確変大当たりの大連チャン。30分どころか、長時間待たせた監督のところに景品をたくさん抱えて戻って『出ちゃったから受けます』(笑)。今では、こうしたお仕事もあったので、『金八』の優等生役を引きずらずに様々な役に挑戦できたのだと思っています」

 私生活では愛猫家としても知られる川上。現在も2匹の猫の飼い主だ。

「もともとは犬派だったんです。18歳で一人暮らしを始めた時にペットショップにワンちゃんを探しに行ったんです。でも、当時マンションで犬は飼えず、あきらめて帰ろうと思った時、たまたまネコと目が合ったんですよ。以来、なくてはならない関係で、今の猫で7匹目になります」

 昨年5月に店は谷中から現在の千駄木へ引っ越し、生活も猫へシフトした。

「下は北欧、2階は猫好きが集まる場所になっていて、定期的に保護猫の譲渡会なども行っています。今年の2月22日にはクラウドファンディングで、ネット上に谷中ならぬ『NYANAKA Town』という猫の情報交換ができる猫街を立ち上げる予定です。私が市長になって猫たちにとって心地よい世界を作ろうと思っています」

 どこまでもネコ目線のニャナカ市長なのであった。

*週刊アサヒ芸能1月19日号掲載

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