昭和から平成へと変わった89年、平日夕方バラエティー番組「パラダイスGoGo!!」(フジテレビ系)から飛び出したのが5人組アイドルのCoCo。短髪ショートが印象的だった宮前真樹(49)を直撃した!
小さな頃からアイドルが大好きで、聖子ちゃん、明菜ちゃん、キョンキョンと、あの頃毎日ゴールデンタイムにやっていた歌番組を見て「私もふわふわのドレスを着たいー」と憧れていたんです。それで、高校1年生の時に「乙女塾」というグループの募集があるのを知って応募しました。
当事の私のイメージはショートヘアだと思いますが、もともとは肩まであるロングヘアだったんです。「パラダイス─」の第1回もツインテールでした。実は、番組のスタイリストさんから「短いほうが似合いそう」って言われ、そうかと思って、本当に地元の美容室でカットしました。
番組開始3カ月でCoCoでデビューすることが決まり、(三浦)理恵子がふわふわの王道のアイドル、末っ子っぽい三つ編みが(大野)幹代ちゃん、優等生タイプの(羽田)恵理香ちゃん、短髪の私がボーイッシュタイプみたいにグループ内の色付けができたんです。オーディションでは「すごい声が小さい」と言われたり、どちらかと言えば控えめなタイプだったのが、髪の毛を短くしたことによってその後の人生が変わったのかもしれませんね。
〝マキボー〟という愛称を最初に付けてくれたのは、同じ乙女塾のヒロちゃん(永作博美)です。1期生仲間でフジテレビ(当時河田町)の食堂でご飯を食べたりしていたんですが、ヒロちゃんから「マキボーって呼んでいい?」て言われて、それがいつしかファンの間にまで広まったんです。今でも〝マキボー〟と呼ばれると、アイドルのスイッチがピッて入ります。
今でこそアイドル冬の時代なんて言われ方をされますけど、当時はいろんな番組に出させてもらいました。「夜ヒット」「トップテン」‥‥自分の憧れの番組に出られたのに、忙しくてあまり記憶がないんですよ(笑)。今さらYouTubeで昔の映像を見て「ワッ、隣が明菜ちゃんだ」とか驚いてます。ほかにも新曲のキャンペーンでバラエティー番組にも出ました。「スーパージョッキー」では熱湯風呂の後に歌い、飛んできたお湯がまぁまぁ熱かったのを覚えてます(笑)。
グループでの活動は5年。その後、ソロ活動もしましたが、自分のキャラクターをどう見せたらいいのか悩みました。30歳の時にこのまま芸能界でモヤモヤしているよりも、以前から興味のあった料理の道に進むことに決めました。今となっては芸能界引退を決断した自分を褒めてあげたいですね。
最初は趣味のお菓子のレシピ作りから始め、ご依頼のある料理の仕事はなんでも受けて、最近は年齢的にも美容・美肌の食事ご依頼が増えてきましたね。今は「マキュボン」というブランドのケーキを渋谷・西武で隔週末に作って売っています。小麦を使わないグルテンフリーなので糖質が気になるお父さんなど、ぜひ覗きに来てください。
今月16日、ついに50歳を迎えることになりました。全然実感はないけど、しかも、偶然が重なって30年ぶりに新曲まで発売することになってしまったんです。もう一度歌うことになるとは想像していなかったので、このCDは人生のボーナストラックです。しかも、発売前日にバースデーライブまですることに。
人生のモットーは流されるように流れに乗ることなんです(笑)。
普段はカラオケにもいかないので15年間歌ってなかったんですけど、先日自宅でライブのセットリストを練習してたら当時のコンサート会場で親衛隊の掛け声で盛り上がる情景が蘇ってきちゃって、思わずワァ〜ンって泣いちゃいました。やっぱりファンってありがたいですね。これで本番は泣かないで済むと思うんですけどね。
*週刊アサヒ芸能1月19日号掲載