福岡ソフトバンクホークスが、前レンジャーズ3Aの有原航平を獲得した。正式発表はこれからだが(1月6日時点)、今オフの戦力補強が総額60億円を超えると言われているソフトバンクならではの契約となるはずだ。
ところが、有原で「補強は終了」ではないようなのだ。
「実はまだ『本命の選手』の獲得の可能性が残っているのです」(ベテラン記者)
本命とは誰なのか。その前に、まずは、有原獲得までの経緯を振り返ろう。
「有原は、いずれは日本球界に復帰するだろうと予想されていました。でも、これまでの有原に関するオフの情報を整理してみると『予想』よりも早かったのです」(現地関係者)
「早かった」とする要因は、昨年11月8日(現地時間)に、米ネバダ州ラスベガスで行われていたゼネラルマネージャー会議にある。有原の代理人も務めるジョエル・ウルフ氏が日米双方のメディアにこう答えていたのだ。
「複数のNPB球団からすでにオファーをもらっている。移籍先は本人の希望で米球界から探すが、1月になって決まらなければ、NPBも選択肢に入れなければならない」
その場にいた日米双方の現地記者は「1月になって」という言葉が「年明け早々」という意味ではなく、「1月に入ってMLB球団と交渉した結果を踏まえて」に聞こえたという。
「GM会議の時点でどこの日本の球団からオファーがあったのか、どんな条件提示だったのかなどは、当然、有原にも報告されていたはず。米球界残留に固執すれば、マイナーから再挑戦しなければなりません。この約2カ月間は、有原にとって、今後の野球人生を考える十分な時間になったようです」(前出・関係者)
実は、2カ月間という考える時間は有原だけでなく、「あの大物選手」にも当てはまるのである。ウルフ氏は、パイレーツからフリーエージェントになった筒香嘉智の代理人でもあるのだ。
「有原は右肩にメスを入れており、実戦感覚や復活を不安視する日本球団もありました。ソフトバンクは有原を安心させる条件提示だけではなく、詳細な現地調査も進めていたのでしょう。同様に、筒香に関する詳細な情報も掴んでいるかもしれません」(前出・ベテラン記者)
筒香の昨季の不振は腰痛によるもの。すでに痛みも和らいでいるようだが、MLBスカウトの評価はイマイチだという。「代理人繋がり」で、ソフトバンクが60億円の補強戦略の「大トリ」として、筒香が電撃入団という可能性も否定できないのだ。
(飯山満/スポーツライター)