PK戦で前大会準優勝のクロアチアに敗れ、またしてもベスト16の壁を破れなかったサッカー日本代表。だが、国際大会の公式記録上は引き分け扱いで、グループリーグで優勝候補のドイツ、スペインを立て続けに破ったことは世界に衝撃を与えた。
大会に旋風を巻き起こした日本代表を応援する外国人が急増したが、なかでも最も熱心に応援していた国がイタリア。今大会の出場権を逃したことで国民の関心は薄かったが、初戦で日本がドイツに逆転勝ちを収めると状況は一変。ネット上ではイタリア国民からの称賛のコメントが相次ぎ、テレビ各局や地元紙がこぞって試合や日本の特集を組んでいる。
1日放送の地元の人気番組「イル・チルコロ・ディ・ムンディアリ」では、出演者のひとりが日の丸のハチマキを頭に巻いて登場。日本のNHKにあたる公共放送の番組だが、過剰なまで日本びいきの内容であった。
「イタリア国民やメディアにとって同じ欧州の国々は憎きライバル。自分たちが出場を逃したから代わりに応援しようなんて気にはなりません。その点、日本は『キャプテン翼』をはじめとするアニメや漫画がイタリアでも人気で、優れた電化製品や寿司の国としても好感度が高い。決してサッカー強豪国ではないけど、あんな戦いをすれば心を揺さぶられないわけがありません」(現地関係者)
また、日本代表のユニホームや戦術面でも共感を覚えるイタリア人は多く、彼らが肩入れする大きな要因となっているという。
「どちらの国も同じ青色のユニホームで、堅守速攻のプレースタイルはまさにイタリア人好み。代表選手も高く評価されており、堂安選手はユベントスが狙ってるとの地元メディアの記事も出ています。現在セリエAでプレーする日本人はいませんが、各クラブが新戦力としてリストアップしているとの噂も聞きます」(前出・関係者)
残念ながらW杯を去ることにはなったが、イタリア国民には感動と鮮烈なインパクトを与えたようだ。