23日、FIFAのカタールW杯公式ツイッターは、ドイツ—日本戦のキックオフ直後に試合が行われたハリファスタジアムでメッセージボードを掲げた1人の日本人サポーターを紹介。そこには「Dear my BOSS Thank you For MY 2 WEEK OFF!(親愛なるボスへ、2週間の休暇をありがとう!)」と書かれており、27日朝の時点で14万5000いいねを記録。W杯にまつわる心温まるニュースとして世界各国のメディアで取り上げられている。
海外でもネット上では《上司の鏡だ》《こんな上司がいる会社で働きたい》など書き込みが相次いだが、25日にこの男性の勤務先が通信大手のNTT東日本であることが判明。実は、同社の公式ツイッターが「Please enjoy your vacation and the World Cup! From your boss(休暇とW杯を楽しんで!あなたのボスより)」という上司からの返信メッセージを投稿したのだ。
「同社は以前から積極的に広告展開を行っていますが、今回の出来事はテレビのゴールデン枠でCMを流したり、新聞の一面広告でも得られないくらい企業イメージの向上に一役買いました。意図したことではないと思いますが、少なく見積もって数億円相当の宣伝効果はあると思います」(大手広告会社幹部)
ちなみにマイナビと日経が4月に発表した「23年卒大学生就職企業人気ランキング」によると、NTT東日本は通信業界部門では2位。だが、文系学生や理系学生を対象とした総合ランキングでは上位100社の中に入っていない。
「もともと業界内では労働環境が評価されていましたが、改めて世間からホワイト企業と認知された格好です。就活生のエントリー数が増えることが予想され、企業側にとっては優れた人材を確保しやすくなります。また、近年、同社は他国の通信インフラ事業に取り組み、現地への技術支援に力を入れているものの、世界的にはまだ無名。今回、グローバルに知名度を上げたことは今後の展開を考えれば大きなプラスでしょう」(同)
サポーター男性は休暇中なのに、会社への貢献度はどの社員よりも高かったようだ。