「大変だよ、ユニフォーム脱いだら。そんなに甘くないよ。野球やめたら『オレ元野球選手だぜ』って言っても『それがどうしたの?』って言われるよ。野球選手で(相手が)『あっ』てわかってくれるのは、ホントひと握りだよ。俺らなんて相手されないよ。お前らよりもまだ俺の方が成績上げてるぜ。親が金持ちだったらまだいいよ、でも自分で働かなきゃというんだったら、なんでそんな気持ちでやってるの?」
のんびりしている若手選手のやる気を引き出そうと、巨人・元木大介コーチはこんなふうに檄を飛ばしているという。大久保博元打撃チーフコーチのYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉に出演して明かしている(11月22日)。
先ごろ、「熱男」こと松田宣浩が巨人へ入団した。ソフトバンクで活躍し来季は40歳になる大ベテランだが、巨人の若手もうかうかしてはいられない。「ジャイアンツにいい風を吹かせてほしい」‥‥そんな話の流れから、元木コーチの意外な熱き一面が顔をのぞかせたというわけだ。
NPBが昨年のフェニックスリーグに参加した186人に対して実施した「セカンドキャリア」に関するアンケートによると、「引退後の生活に不安を持っているか?」の問いに66.1%の選手が「不安がある」と回答。日本プロ野球選手会事務局長の森忠仁氏は、「競技に対する未練を完全に断ち切ること」が次の世界に進む上で肝要だとし、ゆえに「現役のうちにやり切ったと言えるくらいやって欲しい」と語っていた。
現役時代、ミスターから「クセ者」と呼ばれた元木、大久保両コーチのように、引退後にタレントや解説者として名を成し、コーチとして球団から招聘されるのは稀なケースである。
若手選手には自分が巨人を引っ張るぐらいの心意気で頑張ってほしい。
(所ひで/ユーチューブライター)