北朝鮮「ミサイル発射」で1日100億円! 資金は略奪した「仮想通貨」だった

 10月末から始まった米韓軍事演習に対する報復として、連日ミサイルを撃ちまくっている北朝鮮。ミサイルの値段は安価なもので1発1億円、高価なものになると5億円は下らないと言われる。
 
 そんな中、3日付の朝鮮日報が「北朝鮮、ミサイル発射に一日で100億円使った…1年間のコメ輸入額に相当」と題する興味深い記事を掲載。なんでも、北朝鮮は1日で1発200万〜300万ドルの短距離弾道ミサイル25発を発射しており、総費用は最低5000万ドル(約74億円)から最大で7500万ドル(約111億円)に上るという。これは北朝鮮が中国から輸入した1年間のコメの額に相当する規模だというのだから驚くばかりだ。
 
 長年にわたり国連から経済制裁を受け、加えて近年は新型コロナウイルスの影響で、国内の経済はさらに悪化。地方都市では食事も満足に取れない国民が急増するという劣悪な状況が続いているのに、一体どうやって莫大なミサイル資金を得ているのだろうか。
 
 実は、その原資となっているのがサイバー攻撃による仮想通貨の「略奪」だというのだ。
 
「今年2月、国連の北朝鮮制裁委員会が発表した年次報告書に、2020年から21年半ばにかけて、北朝鮮が暗号資産取引所へのサイバー攻撃を通じて盗み出した仮想通貨は計5000万ドル(約74億円)分以上。前年の年次報告書では、19〜20年におよそ3億ドル(約444億円)を窃取したとの指摘があり、『仮想通貨を狙ったサイバー攻撃は依然として外貨獲得の重要な収入源となっている』と結論づけています」(北朝鮮問題に詳しいジャーナリスト)

 一方で、米韓の情報当局は今年に入って北朝鮮が略取した暗号資産は124億ドル(約1830億円)に上るとして、資金源の遮断に乗り出したとの報道もあった。
 
「つまり、ハッキングで略奪された資金がロンダリングされて、核とミサイル開発に転用されているということです。今年7月、米国のニューバーガー国家安全保障担当副補佐官が『北朝鮮が悪意的なサイバー活動を通じ、ミサイル開発に必要な資金の最高3分の1を確保している』と試算し、米政府関係者を驚かせました。今後、北朝鮮が7回目の核実験を強行すれば、米財務省外国資産管理室(OFAC)が中心となって独自の対北朝鮮制裁を発動させるのというので、北朝鮮によるサイバーテロ包囲網は今後いっそう強化されることは間違いありません」(同)

 国民が飢えにあえぐ中、ミサイルを発射し続ける、金総書記の心中とは‥‥。
 
(灯倫太郎)
 

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