“95%完成”日本ハム新球場に「規定違反」発覚!緊急の修正工事かそれとも…

 来春開場の新球場「エスコンフィールド北海道」に“重大なミス”が発見された。ファウルゾーンのサイズが「規定」に足らず、日本ハム球団は「現在、球団内で対応を協議しています」と返すしかなかった。

「公認野球規則では、本塁からバックネット側のフェンスまで60フィート(18.288メートル)以上が必要とされていますが、15メートルほどしかなかったんです。11月7日、NPBと12球団実行委員会が確認し、判明したんです」(地元メディア)

 球場は95%が完成しているという。3日のメディア公開では「臨場感を楽しめるように客席とグラウンドを近くに」と球場コンセプトを語っていたが、誰か1人くらい気づいてもよさそうなものだが‥‥。

「3メートルも狭くなれば、他球場でキャッチャーフライになる打球がスタンドインするので、打者有利となります。でも、長いペナントレースを戦っていけば、それは些細な誤差だと思う。認めるしかないんじゃないかな」

 他球団のスタッフが「私見」として、そう話していた。

 球場設計に携わったのは大手ゼネコン会社と米設計会社・HKS。HKSはレンジャーズ、ブルワーズなどの球場設計を手掛けており、ホワイトソックスの本拠地「ギャランティード・レート・フィールド」の大規模修繕工事も担当している。

 そんな球場造りの輝かしい実績を持つ設計会社が「野球規則を見落とす」なんてことは考えにくい。しかし、こんな指摘も聞かれた。

「MLBでは60フィートのルールを守っている本拠地スタジアムは2球場だけ」(米国人ライター)

 日本とアメリカでは、ルールブックが微妙に違うようだ。

 米国のルールブックにも「60フィート」の記述はあるそうだ。しかし、「RECOMMENDED」の動詞が使われていて、直訳すれば「奨励、オススメ」。日本の公認野球規則では「必要とする」とハッキリ書いてあった。つまり、「60フィート以上なければダメ!」と明確に定めているのは日本で、アメリカでは「60フィートくらいあったらいいよね〜?」くらいのニュアンスなのだ。

 だとすれば、日本ハム球団のチェックミスということになる。たしかにMLBスタイルを模倣してきた球団だったのだが‥‥。

「本塁を3メートル前に移動させたら、外野の芝生を一部剥がすことになります。バックネット・フェンスだけを後方に下げる突貫工事をやったら、球場の景観が変わってしまいます」(前出・他球団スタッフ)

「ファウルボールの勢いなど、ベンチ内の選手が危ないのでは?」と指摘するNPB関係者もいたが、例外として認めるしかないようだ。これを機に、いっそ公認野球規則のニュアンスもMLBに合わせたら? 

(スポーツライター・飯山満)

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