60歳からの「出会い」超入門〈街コン編〉中高年に大人気〝お散歩コン〟の成果は?

 秋も深まり、人恋しくなる季節にもかかわらず、アラ還までずっと独り身のワタクシが今回参加したのはいわゆる〝街コン〟。何となしに聴いていたラジオで取り上げられていて知ったが、高確率でカップリングが成功するらしく、かなり進化を遂げているようだ。

 さっそく調べてみると、今最も注目されているのが〝体験型街コン〟。遊園地やテーマパーク、海や川に行くものもある。中でも中高年に一番人気なのが〝お散歩コン〟なるもの。散歩と出会いをコラボした内容で、博物館や美術館など落ち着いた場所に参加者が赴き、時間と空間を一緒に体感する。規模も少人数で落ち着いた雰囲気ということで、俄然ヤル気が湧いてくる。

 というわけで、私が参加したのは「中高年の出会い!お散歩コン〜博物館デート〜」。参加条件は男女とも「40〜65歳」で「独身」。一般的な街コンだと、男性の参加費用が女性の3倍という価格設定が多いが、「女性2500円、男性4500円」と良心的。すぐにネットでチケットを購入する。

 都内の西側地域某所にある公園で現地集合。終わった後は現地解散。ゆるい感じが心理的なハードルを下げてくれるため、第一印象はとてもいい。

 そして当日、高校入学時に叔父さんに買ってもらったスーツを着込んでいざ出陣。結論からいうと、満足ゆく時間を過ごせた。

 現地集合した後、名前の入ったプレートを首からかけて、女性とペアで散歩の開始。今回は男女それぞれ5名ずつが参加していた。くじ引きでペアは決められるが、集合時から気になっていた、少し派手な40代半ばと思しき女性とペアできたのがラッキーだった。

 まずは集合場所から近くにある博物館へ。散歩なのでペアの女性と横に並んで歩く。対面でないため、何か話をしなくてはいけない‥‥そんなプレッシャーがほぼない。話題に困った時は、途中で見える街の景色の話をしてもいい。いずれにしても大切なのは、自分のことをしゃべりすぎないことだろう。こちらの趣味の話は封印し、それまでは聞き役に回るのが鉄則。

 ところで、私のペアの女性は、女性の参加者の中で一番若く、男性からの注目度も高かったように思うが、そうはいっても20代とか30代の男女が集まっている婚活会場のように緊張感でピリピリしたような空気はない。40代〜60代となると、離婚して子供がいたり、とかなり厳しい状況ゆえに、焦る必要もガツガツする必要もないということもあるのだろう。

 博物館への道すがら、歩道にアジサイの花が満開。綺麗な花を一緒に眺めると、お互いの距離が一気に縮まると思ったこともあり、アジサイを写真に収める女性の背後から、

「実は私、誕生日が6月でして、アジサイには親近感があるんですよ」

 などと声をかける。続いて二次会でショッピングセンター内のフードコートへ。ここで、うれしいことにランチの後で連絡先をゲット! 二次会に主催者スタッフは同席しているものの、参加者はほぼ放置。自然な感じで始まり、なんとなく終了する。私の性格にはとても合っている内容だった。

 本来のルールだと、散歩の途中でペアの女性から離れて、別の気になる女性に話しかけてもOKなのだが、一緒に歩いている女性を放置して別の女性のもとに行くというのは、かなり勇気が必要。そのためか、今回は私を含め全員が、最初ペアになった相手と最後までずっと一緒だった。解散になったあと、ペアになった相手とは別の女性に話しかけている男性もいた。真剣な婚活というよりも、友達作りのひとつというとらえ方で参加するのがいいかもしれない。

 ちなみに今回ペアの女性との共通の話題は、タイ好きだった。以前私は、タイに旅行に行き、タイ人女性とイイことをしたいという邪な気持ちからタイ語教室に通っていた。それがここにきて生きてきたというわけで、人生どう転ぶかわからない。今後の展開があるかもしれない。

【データ】
出費:4500円+交通費+博物館入場料+昼食代
女性:45歳、派手めな事務職
下半身具合:妄想段階のオカズとしては高レベル
総合:☆☆☆☆(5段階評価)

モーリス輪島:派遣労働とわずかな昭和ネタ執筆で生活する60歳。生活費を削ってまでも出会いにつぎ込むストロングスタイルなナンパに定評がある。

*写真はイメージです。

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