中高年の「婚活イベント」が大盛況!「聖子似」「明菜似」のマスク美女が…

 やれリモートだ、やれソーシャルディスタンスだと、人と人との付き合いにも、何かと制約がつきまとうwithコロナの時代。ところが、そんな状況において中高年の婚活が盛況なのだという。

 横浜市内で創業50年という老舗結婚相談所では、4月7日の緊急事態宣言以降、来社しての面談やお見合いなど、対面でのサービスのすべてを自粛したというのだが…。

「それに代わって、オンラインによる面談やオンラインお見合いのほか、Zoomを使ったオンライン婚活パーティーを始めたのですが、自宅にいるのでリラックスしてお話ができたというお客様がいる一方、仕事もZoomなので、事務的になってしまい会話が弾まなかったという声も少なくなかったんです。そこで、8月頃から少人数でのイベントを再開したところ、なんと前年比で7割を超える申し込みがあり、現在も1日2回のイベントが予約待ちの状態になっています」(相談所スタッフ)

 現在、同社が行っているイベントは50代〜60代が中心で、男女5人ずつがテーブル斜め向かいに座り、マスクをしたままアクリル板越しに会話するというもの。そのため、マスクから上が「郷ひろみ似」という男性や、「松田聖子似」「中森明菜似」という女性も出現しているのだとか。

「女性が着席したままで、男性のほうが5分間トークした後に席を移動し、それを2回繰り返して、気に入った相手とフリートークへ移るのですが、皆さんマスクをしていますから、顔全体が見えない。いわゆるマスク美男子、マスク美女が増えているのは事実。なお、顔半分が見えない分、きちんと目と目で会話できるためでしょうか、『人柄がわかりやすい』と好評です」(前出・相談所スタッフ)

 参加者の一人、60代でバツイチという男性はこう語る。

「離婚して10年。それまでは仕事も忙しかったし、寂しいと思ったことは一度もなかったんですけどね。コロナの影響でリモートになり、はじめて、ずっと家に一人でいるのが、こんなに苦しいのかと……。で、思い切って相談所に登録したんです」

 また、同じくコロナ禍に一人で過ごすことに不安を覚えたという50代後半の参加女性もこう話す。

「コロナにかかって孤独死なんて、あんまり辛すぎるじゃないですか。だったら、いい人を見つけて、もう一回人生楽しんでみようかって。マスクで口元が見えない分、胸元への視線をよく感じます。胸元でそれとなく“女”をアピールするのが、マスク婚活で最初の食いつきをよくするコツですかね。うまくいけば、コロナのおかげかもね」

 とはいえ、イベントではお互いマスクを外さないため、後になって「想定外」とわかりガックリ……なんてこともあるのでは?

「50歳を超えれば、誰だってシミやシワがあって当たり前。そんなことを気にしていたらシニアの婚活なんてできませんよ。逆にマスクで顔半分が隠れていることで、そういうコンプレックスが払拭されて素の人柄を出せることもあるでしょう。みんな、それなりに経験を積んできた人ばかりですから、焦ることもない。今でこそ、この盛況ぶりですからね。コロナが収まったらさらに需要が高まることは間違いないでしょうね」(前出・相談所スタッフ)

 自然災害など、「死」を意識させられる大災厄の後には、“結婚ブーム”が到来すると言われるが、新型コロナウィルスの感染拡大も、思わぬ副産物を生んだようだ。

(灯倫太郎)

※写真はイメージです

ライフ