60歳からの「出会い」超入門〈出会い系アプリ編〉初回利用で「待ち合わせ」の結果は…

 人生100年時代と言われる昨今、小生アラ還にして、いまだ独身。身長も年収も低ければ、頭頂部も寂しくなりつつあるだけに、人恋しくなるのは季節だけのせいではないだろう。

 そんな嘆きに、おじさまに優しいアサ芸から出会い系連載の企画が。くしくも令和になって、ようやくスマホを手にしたワタシ。田舎暮らしの老いた母親との生存確認のためにLINEも使いこなし、意気揚々と「出会い系アプリ」を体験することに。しかし、ここでいきなりの厳しい指令。当連載、全て自腹という過酷なミッションに、まずは3000円でポイントを購入。出会い系アプリは登録こそ無料だが、女性とのメッセージのやり取りに、ポイントが必要となるシステムだ。ここで思い出すのが、90年代に流行した伝言ダイヤル。当時は、援助目的の女性ばかりで、閉口した記憶が蘇る。

 ポイントを購入すると、女性のプロフィール情報を見られるようになる。そこまでは無料だが、その女性の写真を見るのに2ポイントが必要。ならばポイントをセコく使おうと思い、プロフィールの閲覧に徹すること約30分。ようやくお目当ての女性を見つけることができた。多くの女性が、20〜30代の男性を条件に挙げる中、

〈年齢層『20代〜60代』、スタイル『細身〜ぽっちゃり』、身長『150〜180』〉

 という20代後半女子を見つけ鼻息を荒くしたのは言うまでもない。だが待てよ、ストライクゾーンが広すぎやしないかと思ったが、メタボで薄毛の私は、わらにもすがる思いでピックアップ。もう1人、気になったのが、

〈好きなタイプ『伊集院光(深夜ラジオのパーソナリティでお馴染みのお笑いデブタレント)』〉

 という32歳女子。昔から体型的に親近感を覚えていたタレントの名前に俄然、脈アリと興味が湧く。

 初めてなので、最初から手を広げてもダメだと思い、この2人に絞ってコンタクトを取ることにした。

 メッセージは書いたことがないのでネット上にある「テンプレート」と言われる定型文を書き換えてご挨拶。最初はそれもいいだろう。

 すると、送付から約15分後にもう返信がきた!(このやりとりにはポイントが必要)

〈連絡してくれてうれしいです♪ 私もヒマしてました〉

 1人目の20代後半女子(広範囲ストライクゾーン)からのメッセージは反応がよくてこちらも上機嫌に。さらに2時間後、伊集院好きの32歳女子から返信が。

〈こんにちは。モーリスさんは何してる人? 伊集院光のラジオ聴いたことある? 面白いよ!〉

 ポイントを使わされた挙句、怪しげなサイトに誘導されるかもしれない不安もよぎったが、結論から言うと、まったくサクラではなかった。

 中でも伊集院好きの32歳の女性と、メッセージのやりとりから5日を経て会うことができた。服装が、まるでお人形さんみたいで、最初はちょっと引いたが、小柄でスレンダーな美人さん。援助目的でもなかった。

「オジサン、ホントに50歳?」

 と言って10歳サバ詠んだ私の顔と頭部をチラチラ見るが、それほど気にする様子もない。しばしプロフィールについて雑談すると、

私「ねえ、太ってる人がタイプなんだよね?」

女性「誰でもいいってわけじゃないよ」

私「あはは、まあそうだよね。ここじゃ何だから、ちょっとマックでも入る?」

 しかし帰ってきた答えは想定外だった。

女性「今日はちょっと時間ないから今度でいい? LINE交換しようよ。オジサン、けっこういい人っぽいから」

 言われるまま腑に落ちないままにLINEを交換して別れたのだが、数分後、

〈今日はそれなりに楽しかったよ。今度女の子の友達連れてくね。だからまた会って♪〉

 話したのはわずか数分! 今の若い女性はこんな感じなのだろうか?

【データ】
出費:3000円+電車代
女性:小柄な美人さん
下半身具合:解消しないが次につながる気配あり!?
総合:☆☆☆(5段階評価)

モーリス輪島:派遣労働とわずかな昭和ネタ執筆で生活する60歳。生活費を削ってまでも出会いにつぎ込むストロングスタイルなアプローチに定評がある。

ライフ