新庄剛志監督の「優勝しか目指さない」発言はホンモノだった。
北海道日本ハムファイターズが新たに「戦力外選手の発表」を行ったのは、10月23日だった。
「フェニックスリーグで奮闘していた柿木蓮投手、上野響平内野手が含まれていました。球界の慣例として、若手育成のフェニックスリーグへの参加は、来季の戦力として認められたことを意味するんですが‥‥」(スポーツ紙記者)
柿木、上野への通達は宮崎市内の選手滞在ホテルで行われたという。
大阪桐蔭高出身の柿木は2018年夏の甲子園大会の優勝投手。4年目の今季、初の一軍登板を果たしただけに、「もう少し待ってやっても‥‥」の声も聞かれた。しかし、それ以上に日本ハムファンを驚かせたのは、上野への戦力外通告だった。
「4月26日のオリックス戦でスタメン出場のチャンスをもらいました。守備はバツグンに巧いですよ。そのオリックス戦では守備範囲の広さ、肩の強さ、捕球してから送球する動きの早さにスタンドが沸いていました」(地元メディア)
高卒3年目、いずれは「守備でお金を稼げる遊撃手」になってくれそうな逸材に“非情通告”をおこなった理由だが、「新庄監督の逆鱗に触れた」というのがもっぱらだ。
新庄監督は宮崎入りし、フェニックスリーグを視察している。その視察初日(22日)だった。凡フライで一塁までの全力疾走を怠った選手、スクイズを簡単に失敗した選手に「必死さがない!」とカミナリを落としたのは報じられている通り。そのスクイズ失敗のミスをやらかしたのが上野だったのだ。
「新庄監督は視察後、木田優夫二軍監督と話し合いもしています。選手を直接叱ることはしませんでしたが、メディアの前に出て、『なんとかボールに食らい付いてファウルでもいいから当てようという気持ちが…』と怒っていました。怒りのコメントが活字になることで、選手に反省してほしいと思ったんでしょう」(前出・同)
だが、翌23日、上野に戦力外が通達された。「フェニックスリーグ参加=来季の戦力」という球界の慣例からすれば、新庄監督の怒りはパフォーマンスではなかったようだ。
育成枠での再契約も予想されているが(25日時点)、「現役ドラフトで大量の選手の入れ替えを狙っている。そのための宮崎入り」(球界関係者)なんていう情報も聞かれた。
新庄監督のV宣言は本気だ。
(スポーツライター・飯山満)