【シリーズ日本が危ない】関空に巣食う中国「闇ビジネス」(3)白タクのバックに転売ヤー

 騙し討ちのように物事を進めるやり方は近隣住民の怒りを買って、大規模な反対運動に発展。

 60代の住民は憤りを隠さない。

「解体が始まると囲いもせんと、アスベストがたくさん出てきて騒ぎになった。最初からちゃんと説明していたら、もう少し話は違ったと思いますよ」

 別の女性も違法性の高い解体作業に口を尖らせた。

「解体工事が始まって、しばらくしてから現場に社長と施工主の2人が通訳を連れて説明会を開いたんですよ。その口調が喧嘩腰なんです。ホンマに感じ悪くて、それでダメだと思った。これは差別ちゃいますよ。平気でアスベストを撒き散らかしたらアカンでしょ!」

 要請の上で設置させた仮囲いも、約30メートルにわたって道路側に倒壊。さらには解体作業による進入路の陥没まで確認された。その都度、警察や市側に対応を求めたそうだ。反対運動が徐々に広がりを見せた結果、先方の弁護士から建設の断念と土地を転売する回答を得たという。

「この土地を測量した会社は、未だに費用をもらっていないと嘆いていました」(町会関係者)

 中国資本が狙う土地は、安くて関空により近い場所。必然と土地価格が高額となる大通りよりも、奥まった住宅街に目を付ける。

 地域協調より自己の利益─。ルール無用のスタイルはどんな事業でも同じだ。中国系ビジネスに詳しいライターが明かすには、

「中国系ビジネスの本質は利益率だけで、儲かるなら職種は問わない。最初、安い賃貸マンションから始まり、最後は必ず自社ビルを所有する。自分たちの国では土地を所有できないので自分の名義にこだわるんです」

 今回の規制緩和で懸念されるのが空港を舞台にした闇ビジネスだ。

「成田や関空で問題になったのが白タク。このビジネスの大元を調べると、ニンテンドーDSや紙おむつのパンパース、限定商品などで利鞘を稼ぐ中国系の転売ヤー集団が多いんです」(ライター)

 こうしたノウハウは車選びにも活用される。彼らは大型車を購入し、大金をかけて自動ドアや料金メーターといった設備を整える。のちのち、同胞の中国人業者や表のタクシー業者に転売することを見越してのことだ。

「実は日本人のタクシー運転手と仲良くなって、そこから中古のタクシーを手に入れている白タク業者もいる。どんなビジネスでも、最初は日本人の協力者を頼る。もちろん、袖の下も活用する。彼らにとって法の目をくぐるビジネスは最も得意とする分野だからね」(ライター)

 モラルを問われる中国系闇ビジネスの跋扈を許してはならない。

*週刊アサヒ芸能10月13日号掲載

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