【シリーズ日本が危ない】関空に巣食う中国「闇ビジネス」(1)中国企業が次々と土地買収

 脱コロナに向けて、ようやく日本が門戸を開放する。岸田総理は9月22日に水際対策の緩和を発表し、10月11日からは入国者数の上限撤廃と個人旅行の解禁に踏み切る。インバウンド需要の期待が高まる中、関西空港周辺では、かねてから隣国の「闇ビジネス」が横行。地元に大混乱を招いているのだ。

 円安の影響を受けて日本旅行の需要が急拡大している。韓国の大手紙「中央日報」によれば、韓国では9月の日本ツアー商品の予約が前月比で24倍も伸びた航空会社もあったという。再び外国人観光客で溢れかえる光景が目に浮かぶが、その一方で、大阪では諸手を挙げて喜べない状況が報告されている。

 場所は空の玄関口、関西空港。泉佐野市、泉南郡田尻町、泉南市にまたがるこの国際空港は94年に世界初の海上空港として開港した。地元の会社経営者は、ある異変について憤慨しながら語る。

「関空への利便性に目を付けた中国企業が次々と土地買収を始めています。別にどなたが土地を購入しても構わないのですが、地域のルールを無視する行動に我々は怒っているんです」

 その一つが泉南市鳴滝にある民泊施設「S」だ。かつては個人所有の民家だったが、現在の施設に建て替える際から問題が山積みだったという。

「解体作業中、家屋の周りにシートをしないので凄い埃が舞い上がっていた。上から瓦をどんどん下に捨てていましたよ。市の職員さんかな、その方が注意をすると『日本語がわからない』とトボけていた」(近隣住民の女性)

 この土地を買収したのは中国系企業。すでに目と鼻の先で別の民泊施設を運営しており、同地に建設したのはいわば「別館」にあたる。

「不動産屋が中国資本の会社の経営者を連れて来たのは約5年前でした。『この地域に馴染んで貰わないと区として協力できませんよ』と説明したんです。向こうも『わかりました』と最初はキチンとしていた」

 こう振り返るのは、鳴滝区長だ。この地域は2町4村が合併して泉南町になった経緯から、泉南市となった今でも33人の「区長」が存在し、区長連絡協議会が行政と市民の間に立つ。

 泉南市で商業活動を行う企業は、その規模によって変動する「区費」を収める決まりで、いわば自治会費のようなものだ。

「毎月1万円で区費の契約書を交わしたんです。ところがある日突然、怪しげな人物を一緒に連れてきた。この辺では見慣れない方で『この会社の者です』と言う。でも、『守り代』とか『みかじめ料』みたいな話が出るので、『何を言っているんですか? 区費ですよ』と説明した。あまりにも腹が立つから、なんでこんな人を連れて来るんだと叱り飛ばしたんです。区費だって2年間支払いも悪くて、それで3年目になって請求書を出しても支払わない。それから滞納したままです」(鳴滝区長)

 このトラブルは序章に過ぎなかった。

*週刊アサヒ芸能10月13日号掲載 

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