藤浪晋太郎が大リーグ挑戦! 巨人・菅野が「しくじり先生」に?

 15年ぶりの帰還を果たす人もいれば、去る者もいる。タテジマを脱ぐのは矢野燿大監督だけではなかった。

 阪神・藤浪晋太郎投手がポスティングシステムによるメジャー挑戦を目指す。球団には昨年の契約更改時にその意向を伝えていたという。「青柳をはじめ、若い投手も育ってきたので、快く送り出すのではないか?」と目されているが、MLB側の評価はイマイチのようだ。

「ロサンゼルス・タイムズ紙が藤浪のMLB挑戦の意向を伝えています。失礼ながら、藤浪はこちらでは無名です。近年の不振のせいですが、かつて澤村拓一(元巨人)のように『スゴイ逸材が隠れていた』という紹介記事ではありませんでした」(米国人ライター)

 同紙は「大谷翔平と並んで期待されていた。制球難でキャリアが失速してしまった」と、辛口な論調。また、ア・リーグ中部地区のスカウトがこう続ける。

「2017年のWBCメンバーに入っていたんですか‥‥。問題は、藤浪の気持ち。マイナーでも構わないからチャンスをくれという姿勢なら、200センチの高身長から投げ下ろす160キロ近い剛速球に懸けてみようと考えるかも。専属通訳を付ける鈴木誠也のような大型契約は考えられない」

 MLBの試合出場ができる40人枠での契約は厳しいようだ。

 今季の藤浪は2年連続で開幕投手を務めたものの、3勝5敗。防御率は3.38。米スカウトが二の足を踏むのも致し方ないが、こんな意見も聞かれた。

「MLBでは基本的に『打つ』という姿勢で打席に立ちます。四球を選ぶのも大切ですが、日本ほど高く評価されません。藤浪は日本の見極める打者たちに苦しみましたが、米国にいけば、そういうタイプはほとんどいません。案外、MLBが合っているのでは?」(前出・米国人ライター)

 今年1月の自主トレでは巨人・菅野智之のもとを訪ねた。菅野も20年オフにMLB数球団と交渉したものの失敗したクチだ。合意に至らなかった最大の理由が、「何が何でもMLBでやりたい」との意気込みが聞かれなかったためとされている。この情報はあくまでも米球界側の言い分だが、こうした失敗談も菅野から聞かされているとすれば、藤浪が“低評価”を覆す可能性は十分にある。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ