藤浪晋太郎「中継ぎ降格」で“藤浪にローテから弾き出された”有望株投手が逆襲

 アスレチックスの藤浪晋太郎が「中継ぎ」として、“再デビュー”した(4月27日/現地時間)。打者・大谷翔平との対決もあったため、日本のファンの注目度も高かったが、2回を投げ、失点1(自責ゼロ)、3奪三振。

 試合後、ア軍のマーク・コッツェイ監督は「ストライクゾーンに攻め込むことができていた。全体的には良かった」と評価していた。だが、「藤浪の先発復帰は?」の質問が出ると、ひと呼吸をおいてから、意味深な物言いをした。
 
「ローテーションに戻さないとは言わない。短期的には救援でいく」

 このコメントには、アスレチックスの別の事情が隠されていると、西部地区の球団を追う米メディアの記者は言う。

「アスレチックスのトップ・プロスペクト(若手有望株)の投手、カイル・マラーが近く昇格しそうなのです。彼はマイナーで結果を出し続けており、昇格は時間の問題と言われてきました」

 マラーは昨年12月、トレードで獲得した次期エース候補だ。藤浪がアスレチックスと契約したのが今年1月14日だから、アスレチックスではマラーのほうが1ヶ月ほどだが“先輩”ということになる。

「当初はマラーが先発ローテーション候補と目されていました。でも、藤浪が入ってきたことで、マラーはマイナーで準備することになったのです」(前出・米メディア記者)

 そのマラーが昇格して、先発で結果を残せば、藤浪のローテーション復帰はいよいよ厳しくなる。

「マラーは身長200センチ、右のオーバーハンドで、100マイル近い豪速球とスライダーが武器です。25歳と若く、でもこれまでメジャーに定着できなかったのは制球難があったから…」(現地記者)

 そう聞くと、なんとなく藤浪とキャラがかぶる。投球スタイルだけではなく、体格までそっくりな投手が先発枠に2人もいるのはあまりよろしくない。つまり、現状で藤浪がメジャーで生き残るにはリリーフしかないのだ。

 コッツェイ監督は「リリーバー・藤浪」を評価していた。マイナー落ちがないだけでも、そこは喜ぶべきだろう。

(飯山満/スポーツライター)

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