プーチン盟友の娘「爆殺事件」の裏に「暗殺リスト」? 掲載されていた超有名ミュージシャンの名前とは

 ロシア・プーチン体制を支える極右思想家として知られるアレクサンドル・ドゥーギン氏。その娘でジャーナリストだったダリヤ・ドゥーギナ氏が、モスクワ郊外で起こった自動車爆発事件により死亡したのは8月20日のことだ。

 ロシアの国内情報機関であるFSB(ロシア連邦保安局)は程なくして、犯人はナタリア・ボブクという43歳のウクライナ人女性だと発表。FSBによれば、女は爆破事件の1カ月前に12歳の娘とともにロシアに入国、暗殺の準備を行っていたと伝えている。

「当局によれば、犯行に使用された爆発物は800キロ。女はマリウポリの製鉄所で戦ったネオ・ナチ集団 『アゾフ大隊』の一員で、捜査資料の中にはアゾフ所属を示す軍の身分証明書も含まれていたのだとか。ただ当然のことながら、ウクライナ政府はこれらの主張を虚偽としてロシアを全面的に非難しています。というのも、爆弾が仕掛けられた現場とされる駐車場は厳重に警備されており、側には複数の検問所があるエリア。そんな駐車場内で女性が1人、800キロの爆発物を仕掛けられるはずがない、犯行はロシア国内の反プーチン派による犯行だというのが、ウクライナ側の主張です。ただ、どちらの犯行にせよ、報復の連鎖はさらに広がることは必至。第2、第3の悲劇が生まれることは想像に難くありません」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)

 当初は父であるドゥーギン氏を標的にしたテロであるとの報道もあったが、その後、タス通信などのメディアはFSBの関係者の談話として「狙いは初めから娘のドゥーギナだった」と伝えている。

「実はドゥーギナ氏暗殺の後、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使がウクライナ組織のウェブサイトを名指しで糾弾しているんです。そのサイトは『Myrotvorets(ミロトフォレッツ)』というもので、運営しているのはウクライナを拠点にした非営利組織。同サイトには、反ウクライナ発言を繰り返す活動家などの『Kill List(暗殺リスト)』が存在するとされ、ドゥーギナ氏の名前もあったと伝えるメディアもあります」(同)

 さらに、9月3日にアップされた「ニューズウィーク日本版」によれば、同リストには、英ロックバンド「ピンク・フロイド」の元メンバーでミュージシャンのロジャー・ウォーターズの名前も掲載されているという仰天情報を伝えた。

「たしかにウォーターズはソロコンサートでも、ステージ中央の巨大スクリーンにバイデン氏の画像を映し出し『戦犯 いま始まったばかり』というメッセージを加える演出を施すなど、バイデン大統領をやり玉にあげ、戦犯呼ばわりしていることは有名な話。最近のCNNインタビューでも、『バイデンはウクライナの戦争に火を注いでいる。巨大な犯罪ではないか』と主張。『なぜ米国はゼレンスキー大統領に対話的解決を促し、このおそろしく残虐な戦争を避けようとしないのか』とアメリカやNATOの姿勢に疑問を呈しています。そんなこともあって、リストアップされたのかもしれませんが、それが事実だとしたら大変なこと。何も起こらないことを祈るばかりです」(同)

 超有名ミュージシャンにも飛び火した、暗殺リスト説。波紋は広がるばかりだ。

(灯倫太郎)

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