“コロナ感染後”に医療保険契約!「入院給付金の不正請求」が急増していた

 8月19日には全国での感染者が26万1029人を数え2日連続で過去最多を更新、コロナの猛威は収まりそうにない。新型コロナウイルスに感染、あるいは濃厚接触者となった場合、基本的には自宅やホテルでの療養を余儀なくされる。

 一般的には、保険会社の医療保険に加入していれば入院給付金が受け取れるが、そんな中、生保の最大手である日本生命が、入院給付金の不正請求が増えているとして保険内容の縮小に踏み切ることを発表。「NEW in 1(ニューインワン)」という医療保険で、9月26日加入分から給付金の上限を見直すという。

「この保険は一般的な病気やけがを対象とし、加入直後から保険金を受け取れるというタイプで、新型コロナに感染した場合は自宅療養の『みなし入院』も含め、入院給付金が支払われる仕組みになっています。ところが今年に入り、発熱などの自覚症状が出てから告知せずに加入したり、濃厚接触者になった後に契約するといった疑わしいケースが急増。明らかに不正請求というケースも少なくないため、上限金額の引き下げ及び新規顧客からの自発的申し込みを停止するという異例の措置に踏み切りました」(情報誌ライター)

 日本生命は、医療保険の入院給付金の上限を現行の40万円から30万円に引き下げ、また、契約時にすべき申告をしない告知義務違反と判明した場合は給付金を支払わない方針を表明している。これに対し、SNS上には《そういう輩が出てくることは目に見えていたんじゃない?》《上限40万円出るとして契約して、それなりの額を払わせておいて、いきなり下げるなんておかしい》《保険会社の脇の甘さが露呈したな》などと、予測できた事態として対策の甘さを指摘する意見も散見される。

 ちなみに、新型コロナウイルスの入院給付金を受け取るためには、各保険会社のHPにある「新型コロナウイルス感染症・治療状況報告書」などに記入して申請。療養期間が14日以内の場合には、「新型コロナウイルス感染症と診断されたことがわかる書類の写し」が必要になる。

「これは、保健所が発行する『就業制限通知書』や病院所定の陽性証明書など。また、期間が15日以上の場合には、『診断されたことがわかる書類』に加え、保健所や療養施設などが発行した『療養期間がわかる書類の写し』も必要となります。なので、民間のPCR検査所で陽性と診断され、自宅療養していたというだけでは認められないケースもあるので注意が必要です」(同)

 医療機関がひっ迫する今、保健所や医療機関に電話がつながらずに自主隔離して回復したという人も少なくないが、それでは感染・療養の証明はできないため、保険金の支払い対象から外れてしまうこともある。事が起こったあとに「しまった!」ということがないように、加入している医療保険の内容は確認しておきたい。

(灯倫太郎)

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