「吉野家」15億円の赤字で“セルフサービス方式”への大転換は吉と出るか?

 創業120周年を迎える今年が“終わりの始まり”となるのか。
 
 牛丼チェーン「吉野家」や「はなまるうどん」を展開する吉野家ホールディングスが、今年に入り発表した2018年3~11月期連結決算で純損益15億円の赤字に転落。牛肉や米などの原材料価格が高騰していることが原因の一つとされるが、「吉野家」はコスト全体に占める人件費の割合が高く、かなり足を引っ張っていると言われ、今後はすでに発表済みの“セルフサービス方式”に大きく舵を切っていくことになりそうだ。
 
「セルフサービス方式とは、分かりやすく言えば『マクドナルド』と同じ注文方で、先にレジで注文して代金を払い、料理が完成したら自分で受け取りに行く。ただし『吉野家』前社長の安部修仁氏はかつて、『券売機を置かないことで、お客さんとのメンタルな繋がりを大事にしていきたい』と明確にしていたことから、セルフサービス方式の導入はかなり大きな方向転換ということになります」(経済ジャーナリスト)

 なお、すでに池袋西口店や柏東口店などではセルフサービス方式を導入しており、利用した客に話をきいたところ、「わざわざ店員に声を掛けて注文しなくていいから気楽に入りやすい」や「帰りに会計を待たないのは便利」など、好意的な意見も多く聞かれた。
 
 その一方で、ホリエモンこと堀江貴文氏はツイッターで、商品の値段を上げることも難しいとしながら《そうなると、コンビニが牛丼を本格的に始めた時に差が全くなくなる、というかバイイングパワーで圧倒されるので吉野家の崩壊の序曲ですねこれは》と、さらなる暗雲を予言している。
 
「吉野家」は今後5年かけて店舗の4割にあたる500店舗をセルフサービス方式に切り替えると発表しているが、果たしてこの戦略が吉と出るか凶と出るか‥‥。

ビジネス