腰を痛めて今季3度目の離脱…。巨人・坂本勇人のコンバート説が囁かれている。
「坂本をどこに動かしても、玉突き事故のように、ほぼ全員のポジションを動かさなければなりません。シーズン途中での大掛かりなコンバートは無理、坂本に頑張ってもらうしかないのでは?」(ベテラン記者)
そんな実情を語る声も聞かれた。二塁手の吉川尚輝のショートコンバート、若手の湯浅大か、中山礼都の抜擢。廣岡大志にもチャンスがある…。本命不在とも言えるなか、新たな「ポスト坂本」が急浮上してきた。
「川相昌弘ファーム総監督が『守備だけなら、今すぐ一軍でも通用する!』と絶賛しています。練習でも、後ろに陣取って事細かなアドバイスをしています」(球界関係者)
新・ポスト坂本とは一年目の育成選手、大津綾也捕手。そう、登録は「捕手」だ。6月途中から遊撃手として社会人・大学チームとの試合に起用されるようになった。
「北海高校ではチーム事情で2年春から捕手にコンバートされたんです。すると、その強肩ぶりがプロスカウトの目にとまるようになったんです」(同)
捕手としての将来性に阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチがほれ込み、育成での指名が決まった。しかし、守備面でのセンスの高さに駒田徳広3軍監督らも一目を置くようになり、「出場機会が増えるのなら」と内野も守らせてみた。すると、川相ファーム総監督が「速い、巧い、強いの3拍子が揃っている」と絶賛。「守備だけなら、一軍でも」と評されるようになった。
大津の「二重丸の守備力」は原辰徳監督にも報告済みだという。
「打撃力がね…。バント、エンドランがしっかりできるようになれば」(同)
社会人、大学チームとの試合は「9番・遊撃」で出場。打席ではちょっと苦戦していたが、巨人の支配下登録選手数は「68」(7月11日時点)。育成から這い上がってきた、それもイキのいい高卒1年目がハツラツとしたプレーを見せてくれたら、坂本不在で沈んでいるチームの雰囲気を変えてくれるかもしれない。
川相ファーム総監督も、巨人のショートを長く守り抜いた達人だ。達人がホレ込んだ“育成捕手”を、東京ドームでお披露目する価値は十分にあると思うが?
(スポーツライター・飯山満)