ここまでやるか!? ロシア軍による「外国人捕虜」「ジャーナリスト」処刑の驚愕実態

 ロシア軍による、外国人捕虜やジャーナリスト処刑の事実が次々に明らかになってきた。
  
 国際NGO「国境なき記者団(RSF)」が、ウクライナのジャーナリスト、マクシム・レビン氏らが、ロシア兵により処刑された証拠を発見したと発表したのは、22日のこと。

 フォトジャーナリストのレビン氏は、米ロイター通信や英BBCなど、西側の報道機関多数と契約。キーウ(キエフ)で取材を続けていたが、3月13日、キーウ北西にあるブチャ近郊のモシュン村の森で行方不明に。ロシア軍撤退後の4月1日に、同行していたウクライナ軍兵士とともに遺体となって発見されたという。

「RSFは5月下旬からウクライナに調査員2人を派遣。現場では複数の銃弾や薬莢が見つかったほか、レビン氏と一緒にいた友人で軍人のチェルニショフ氏、さらには兵士の身分証明証なども発見され、現場の写真や状況、回収された証拠品から、レビン氏が3月13日に処刑されたことが確認できたとしています。さらに遺体の状況から、レビン氏は至近距離から撃たれ、チェルニショフ氏は生きたまま焼かれた可能性があり、処刑前に拷問が行われた可能性も示唆。それが事実だとしたら単なる残虐な殺人行為としか言いようがなく、逆に言えばロシア軍がそれだけ追い詰められているということですが、現地入りしているジャーナリストの間にさらなる緊張が走ったことは間違いありません」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)

 ロシア軍による処刑対象になっているのは、ジャーナリストだけではない。

 タス通信は9日、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」の裁判所が、ウクライナ側の傭兵として戦闘に参加し、ロシア側の捕虜となった英国人2人とモロッコ人に死刑判決を下したと伝えたのだ。

「2人は『ショーン・ピナー』と『エイデン・アスリン』と名乗る英国人捕虜で、ともに、2018年にウクライナに移住。ロシアが侵攻する前には、ウクライナ軍に数年間所属していたとされ、マリウポリ守備に数週間ついた後、ロシア軍に投降したと伝えられます。ところが、『ロシアの代理裁判所』は、この2人を『雇い兵』だと主張。金のために外国の紛争に送り込まれたと非難し、暴力的に権力を奪った罪やテロ活動を行うための訓練を受けた罪などで起訴し、今回の死刑宣告に至ったようです」(同)

 4月の段階で2人はロシア国営テレビを通じ、ジョンソン英首相に助けを求める映像を公開。イギリス政府はジュネーブ条約に基づく戦争捕虜として扱われるべきと主張しているものの、2人は雇い兵だとするロシア側の説明を増長させる恐れがあるとして、現時点ではロシアと直接交渉することに消極的だと伝えられる。

「ロシアはこのイギリス人のほか、ウクライナでの戦闘に自発的に参加して拘束された米国人2人についても、死刑の適用を排除しないと表明していて、頑としてジュネーブ条約は適用されないとの見解を示しています。米英両国はあらゆるチャンネルを使って、身柄引き渡しを模索しているようですが、交渉は難航しているようです」(同)

 戦争という名のもとに、強姦、拷問、略奪、処刑と、ありとあらゆる極悪非道行為が繰り返されている。

(灯倫太郎)

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