5月11日に急逝したダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの自宅前から生中継を行い批判が殺到していたフジテレビとテレビ朝日が、それぞれ定例記者会見で中継について説明したが、ネット上では批判が再燃している。
5月27日の定例会見に出席したフジテレビの金光修社長は、上島さんが亡くなった当日に自宅前から中継したことを問われると、「今回の報道に関しては多くの意見が寄せられた。注意喚起や寄せられた意見を真摯に受け止め、今後は対応していきたい」とコメント。また、31日に会見を開いたテレビ朝日の篠塚浩常務も同様の質問に「死因が確認できない段階で少しでも状況を伝えようと、ガイドラインを踏まえて現場や場所は伝えしないように十分配慮した形で1回だけ中継をした」と説明。「様々な批判があることは真摯に受け止めております」と語った。
しかし、両社の会見を受けてネット上では、《報道関係者は現場も上層部も定期的に小学校の道徳の授業を受けた方がいい》《身内が亡くなって悲しんでる家の前にわざわざ行って中継する意味がまったく理解できない》《テレビ局は「批判は真摯に受け止める」って言って同じことを何度も繰り返すからな》など厳しい意見が相次いでいるのだ。
「5月3日に俳優の渡辺裕之さんが急逝した際にも報道が過熱したことで、厚生労働省が世界保健機関(WHO)のガイドラインを踏まえ報道するように呼びかけていたばかり。その時には死因が確認できていなかったのかもしれませんが、上島さんの自宅前から中継したのは不適切だったと言わざるを得ないでしょう。厚労省は11日夜にも“自死の手段を報じる”“自死で亡くなった方の自宅前等から中継を行う”“自死で亡くなった場所(自宅)の写真や動画を掲載する”“街頭インタビューで、市民のリアクションを伝える”ことをしないよう再度の注意喚起を行いましたから、よほど両局の中継を問題視したのだと思われます。そもそも、自死か否かに関わらず、亡くなった方の自宅前から中継を行うというのは、現代のモラルからは逸脱した行動。やっていることは迷惑系YouTuberと何ら変わりありませんからね」(フリージャーナリスト)
真摯に受け止めてるだけではなく、きちんと反省してもらいたいものだ。
(小林洋三)