今年2月、新潟県村上市にある工場が火災。従業員6名が亡くなった三幸製菓。その後の調べでも出火原因の特定には至っておらず、操業再開に不安が残る。現在も出荷はストップしたままだ。
実は、同社は米菓メーカーとしては亀田製菓に次ぐ業界2位でファンも多い。火災が報じられた後、スーパーなど小売店では買い占めに走る客の姿も確認されており、その中には転売目的と思われる者の姿も。
「事実、2月中旬以降はメルカリやヤフオクに同社製品が多数出品されています。普段ならお店のせんべいコーナーには必ず並んでいますが、今回はアッという間に品切れになってしまいました」(流通アナリスト)
ちなみに「雪の宿」や「ぱりんこ」「チーズアーモンド」といった看板商品は、店頭での実質販売価格は1袋200円以下。だが、ネット上はその3〜4倍は当たり前。なかには10倍以上の強気価格での出品も目立った。
「買う側にとっては仮に10倍のぼったくり価格でも元値が安いため、それほど痛手ではないのかもしれません。ああいうお菓子はクセになる美味しさがありますし、出荷停止は一時的なもの。だから、購入者も『今だけの辛抱』と割り切っているのでしょう」(同)
ただし、いわゆるプロの転売ヤーにとっては、決して旨味のある商品ではないという。
「高利益率が期待できる商品ですが、所詮はお菓子なので儲けを上乗せしたところでたかが知れている。そのため、転売ヤーに多い中国系グループで手を出すのは一部で、多いのは小遣い稼ぎ目的の日本人のようです」(同)
とはいえ、工場は5月中旬以降から生産を順次再開する予定。最近は投げ売り価格での出品も増え、転売市場から姿を消すのも時間の問題のようだ。