昨年3月、Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏が初めて投稿したツイートのNFT(非代替性トークン)が291万ドル(約3億1700万円)で落札されたことが話題となったが、購入者であるシーナ・エスタビ氏がこのNFTを再びオークションに出品したところ、15日現在で150万円以下でしか入札されず、価値が200分の1にまで暴落するピンチに陥っている。
「6日、エスタビ氏はオークションサイト『Open Sea』にドーシー氏の初ツイートNFTを4800万ドル(約60億円)で出品し、『このNFTの収益の50%(本人の予想では2500万ドル以上)を慈善団体に寄付する』と宣言。ドーシー氏本人から『なぜ99%を寄付しないんだい?』とツッコまれていました」(ネットライター)
しかし、売り出し価格があまりにも高かったため誰にも落札されず、エスタビ氏は「このNFTは単なるツイートではない。これはデジタル世界のモナリザだ!」とアピール。「この価値あるNFTを手にするに値するのはイーロン・マスクのような人物である」と再びオークションを再開させたが、15日の15時現在では最高入札価格が1万1548ドル(約150万円)にしか達していない状況となっている。
「3億円で購入したNFTを60億円で売ろうとしたら150万円にしかならなかったなんてまるで冗談のような話ですが、ある意味ではこれがNFTのリアルとも言えるでしょう。NFTはテキストや画像、音楽、映像などありとあらゆるデジタルデータの所有権を証明してくれるデジタル署名ですが、最近では詐欺や偽造、相場操縦が頻発していることで信用を失いつつありますし、エスタビ氏自身も昨年5月に詐欺容疑でイランで逮捕されており、本物のドーシー氏の初ツイートNFTを売る気があるのか懐疑的な見方もあるようです」(ITジャーナリスト)
なお、エスタビ氏が入札価格を受け入れなければ、オークション自体が無効となるようだ。
(小林洋三)