「転売防止」を理由に政府がゴリ押し「チケット購入時のマイナカード利用」に大ブーイング!

 政府が、コンサートやスポーツのチケットの高額転売防止策として、マイナンバーカードを活用することを検討していることが明らかになった。すでに関係団体などと協議を行っているというが、疑問の声も少なくない。

「11月28日の午前の会見で、松野官房長官は『マイナンバーカードは、対面に加え、オンラインでも確実な本人確認ができる安全安心なデジタル社会のパスポート』とし、『チケット販売やイベント入場に利用するユースケースについても、関係団体等と検討を行っている』と発言しました。チケット販売時のマイナンバーカード利用については、今年8月に河野太郎氏がデジタル相に就任した際のインタビューで、『チケットの高額転売を防ぐために、かなり厳格な本人確認ができる』と語っていましたが、実現に向けてかなり前進しているとみられます」(社会部記者)

 ただ、こうした政府の動きにネット上では、《何で民間事業にまで介入するの。民間事業に絡めて利権の幅を拡げるようなことは止めてほしい》《チケットの高額転売防止に向けて各企業も頑張ってるところなのに、わざわざ横槍を入れる必要はない》《そんなことは民間に任せて、行政は他にできることをやって欲しい》といった苦言が相次いでいる。

「マイナンバーカードでチケットの高額転売が防げるのであれば便利ではありますが、すでに民間でもNFT(非代替性トークン)技術を利用した入場システムの開発なども行われているため、民業圧迫にもなりかねません。また、マイナンバーカードを利用してチケットを購入した場合、急用や病気などで行けなくなった際に第三者に譲ることができない可能性もありますね」(フリージャーナリスト)

 現状でマイナンバーカードの申請率はおよそ6割と、2022年末までにほぼすべての国民が持つ、という政府の目標には遠く及ばない結果となっている。チケット購入だけでなく、運転免許証や健康保険証をマイナンバーカードに統一させるという目論見もあり、あの手この手でなんとかカードを普及させたいという政府の狙いが透けて見えるのである。

(小林洋三)

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