「女児救出」のグレート-O-カーンは、数多の格闘技で優勝した超逸材だった

 先月末、JR武蔵小杉駅構内で女児を連れ去ろうとした泥酔男性を取り押さえ、4月4日、神奈川県中原警察署から感謝状が贈呈された新日本プロレス所属のグレート-O-カーン。助けた女児を落ち着かせようと持っていたパンケーキを食べさせるなど正義のヒーローぶりが話題となったが、リングの上ではヒールユニット「UNITED EMPIRE」のリーダーを務める残虐な悪役レスラーだ。

 事件後は多数のメディアに取り上げられたがアニメ「キン肉マン」に登場するラーメンマンを思わせる辮髪(べんぱつ)などの特徴的な風貌、どこぞの皇帝のように自らのことを「余」と名乗るなど個性的すぎるキャラとのギャップも大ウケ。現在、プロレス業界で最も注目を集める人物となっている。
 
「彼はプロ7年目の30歳。多数の五輪代表選手を輩出した日大レスリング部の出身で、在学中に天皇杯(全日本レスリング選手権)や明治杯(全日本選抜レスリング選手権)で優勝するなど輝かしい経歴を持ち、五輪強化選手にも指定されています。プロレス転向前のキャリアとしては歴代レスラーの中でもトップクラスの経歴です」(プロレス記者)

 しかも、レスリングだけでなく全日本サンボ選手権で2年連続優勝のほか、総合格闘技の世界パンクラチオン選手権や世界コンバットレスリング選手権、全日本ノーギ柔術選手権などでも優勝歴を持つ格闘技エリートだ。

「体格にも恵まれ、総合格闘家の道を選んでも成功したかもしれません。ただ、彼は頭の回転が早く、自己プロデュース力にも長けているので、彼にとって悪役レスラーはハマリ役。それに大のアニメ好きという根っからのオタク気質で、同じ親日所属でテレビのグルメ特集でも活躍する真壁刀義選手にも負けないくらいのスイーツ好き。ヒールとしてのタイプは全然違いまですが、将来は“黒のカリスマ”として圧倒的な存在感を放った蝶野正洋のような看板選手になるかもしれません」(同)

 一躍知名度が上がり、彼にとっても大チャンス。これをきっかけに今度は本業のプロレスのファンも拡大してほしいところだ。

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