プーチン「核ミサイル」照準は「英仏間の公海」に【2】ツンドラ地帯に報復核が!

 ただしこの時点では、生物・化学兵器の使用も含めて、危機の予測は可能性のレベルに留まっていた。ところが米諜報当局によるその後の情報収集によって、ついに核兵器の使用までが現実の危機として浮上してきたという。軍事アナリストが続ける。

「バイデンは全世界に向けて警告を発した3月21日の演説の3日後、ベルギーの首都ブリュッセルで行われたNATO(北大西洋条約機構)、EU(ヨーロッパ連合)、G7(主要7カ国)の首脳会議に出席し、さらにウクライナの隣国ポーランドの首都ワルシャワで、ドゥダ大統領と会談しました。表向きは、生物・化学兵器が使用された場合の追加の対露経済制裁などについて話し合うためとされていましたが、真の目的は、プーチンが実行しようとしている核攻撃作戦の具体的な内容や方法を各国首脳らに伝えることにあったのです」

 では、その具体的な内容や方法とはどのようなものか。米諜報機関の内情に詳しい防衛省関係者は、その驚くべき全貌を暴露した。

「イギリスとフランスの間にある公海上に核ミサイルをブチ込む─。これがプーチンの画策している電撃核攻撃作戦の内容です。この場合、作戦の内容を素直に評価すれば、標的となる攻撃海域は英仏間にあるドーバー海峡もしくはイギリス海峡ということになります。しかし、米諜報当局は『核攻撃作戦の具体的な方法論までを考慮に入れるとズバリ、標的海域はドーバー海峡に近い北海南西海域になる』とみています」

 なぜこのような分析結果が導き出されたのか。謎を解くカギは、バイデン大統領が当初から「ロシアがNATO諸国に指一本でも触れたら、アメリカ軍は全勢力を挙げてこれに反撃する」旨を明言し、警告していた点にあった。防衛省関係者が厳しい表情で続ける。

「仮にロシア本土内から核を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)などを発射すれば、事実上、ロシアはNATO諸国の領空を侵犯した、つまりバイデンが警告する『指一本』に抵触した、ということになりかねません。しかもこの場合、ミサイルが追尾、撃墜されるリスクもあります。そこで『プーチンは北極海からノルウェー海を経て北海へと南下させた原子力潜水艦から、ドーバー海峡に近い北海南西海域へ向けて禁断の核ミサイルを発射する』との分析結果が導き出されたのです。滞空時間が極めて短いこの方法であれば、追尾や撃墜のリスクもグンと低くなります」

 そしてこの防衛省関係者はあろうことか、近未来の地獄絵までを口にした。

「ただし、プーチンが捻り出したこのギリギリの核攻撃作戦が戦局を打開し、もくろみ通りにウクライナの制圧につながるかは微妙です。場合によっては、アメリカがついに一線を越える形で、シベリアのツンドラ地帯に報復核を撃ち込むかもしれません。そうなれば、NATO諸国を巻き込んだ報復核の応酬によって米露大戦、さらには全世界が懸念している第三次世界大戦に発展していく可能性もあります」

 ところが、である。この悪夢のシナリオにつながる米露大戦はすでに始まっている、との仰天情報も存在するのだ。

*「週刊アサヒ芸能」4月7日号より。【3】につづく

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